「じんましん」と「がん」との気になる関係…リスク49%増
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月15日 9時26分
(写真はイメージ)
【医者も知らない医学の新常識】
「じんましん」は皮膚が赤く膨らんで、強いかゆみを伴う皮膚炎の一種です。急に出現して、時間が経つと消えてしまうという特徴があります。
通常はアレルギーに伴って起こりますが、その原因は分からないことも多いのが実際です。じんましんはそれ自体が危険な病気ではありませんが、他の全身的な病気に伴って発生することがあるので注意が必要です。なかでも指摘されることが多いのが「がん」との関連です。
がんは皮膚に起こるものではなくても、皮膚症状を伴うことがあります。そのなかでも多いとされているのがじんましんなのです。今年の皮膚科学の専門誌に掲載された論文に、デンマークでの疫学研究のデータが報告されています。
じんましんと診断された8.7万人以上の患者を長期間観察した結果、じんましんと診断されると、そうでない場合と比較して、その後にがんになるリスクが9%増加していました。特にじんましん診断後1年以内では、がんのリスクは49%も増加していたのです。
これをがんの種類によって解析すると、リンパ腫などの血液のがんが最もリスクが高く、ホジキンリンパ腫という血液のがんは、じんましん診断後1年以内に5.35倍も多く発病していました。 原因不明のじんましんは、血液のがんを疑う必要があるかもしれません。
(石原藤樹/「北品川藤クリニック」院長)
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