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お笑い芸人の海外進出は成功するか?「グローバル・コメディアン」で感じた日本と英語圏の国との違い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月18日 9時26分

お笑い芸人の海外進出は成功するか?「グローバル・コメディアン」で感じた日本と英語圏の国との違い

(「世界を笑わせろ!グローバルコメディアン」の公式X)

 今月2日、各国で活躍する審査員、日本語がわからない観客の前でネタを披露する賞レース「世界を笑わせろ!グローバルコメディアン」(日本テレビ系)の第3弾が放送され、カゲヤマが優勝を飾った。

 審査員は、アマリー・カスティロ(アメリカのコメディアン)、BJ・フォックス(イギリス出身、日本在住のコメディアン)、エヴァンス・ムソカ(ケニアのコメディアン)、イ・ジェヒョン(韓国のテレビプロデューサー)、NON STYLE・石田明の5人。挑戦者は、カゲヤマ、トム・ブラウン、清川雄司、もう中学生、いぬ、吉住の6組だ。

 トップバッターで登場したカゲヤマは、昨年の「キングオブコント」を沸かせた先輩社員が裸で土下座するネタ「料亭」で勝負し、最後まで勝ち残った。アマリーが「声が大きい」「裸も大好き」、BJが「日本の文化を学ぶことができた」とコメントしていた通り、快活な芸風とオリジナリティーが評価されたのだろう。

 一方、「言葉を必要としない=グローバルな笑い」という日本人が抱きやすいイメージを覆したのが清川に対する審査員の見解だ。口の中にハーモニカを入れてメロディーを奏でながら縄跳びやホッピングを披露するパフォーマンスに、BJが「技術だけでなく笑いがほしかった」、エヴァンスが「私はスタンダップコメディアンなので言葉足らずに感じた」と語っていたのが印象深い。

「見ている人を子どもの頃に戻すようなネタ」と高く評価された吉住

 逆に日本人と変わらないウケ方をしたのが吉住のコントだ。段ボールで作った空想上の彼氏を父親に捨てられ嘆き悲しむも、やがて父親との関係を取り戻す少女を怪演し、アマリーから「見ている人を子どもの頃に戻すようなネタ」と高く評価された。

 今年12月、吉住は元ゾフィー・上田航平、ラブレターズ、Gパンパンダ・星野光樹、Saku Yanagawaとともにアメリカ・シカゴでユニットライブの開催を予定している。それだけに、今回の反応は自信になったのではないだろうか。

「ピンポイントでウケたとしても、その先の展開として言葉や文化を知る必要性が出てくる」

 他方、「あたりまえ体操」がインドネシアで大ブレークし、2015年にアジアツアーも行ったCOWCOWは、昨今の海外進出ブームに冷静な目を向けている。「週刊プレイボーイNo.38」(集英社)のインタビューの中で、善しは「ピンポイントでウケたとしても、その先の展開として言葉や文化を知る必要性が出てくる」と語っていた。

 2010年代中盤以降、海外のスタンダップコメディアンにとってはNetflix「スペシャル」への出演がひとつのステータスになっているが、日本で話題になることはほぼない。こうした文化的なズレも、日本と英語圏の国との“海外進出”のイメージに違いを生じさせているように思う。

(お笑い研究家・鈴木旭)

  ◇  ◇  ◇

 昨今、日本のお笑い芸人が海外で活躍している。その1番目とも言えるのが、とにかく明るい安村だ。●関連記事【もっと読む】とにかく明るい安村《奇跡の復活》に続け! 英人気番組BGT出演が狙える“裸芸芸人”の名前…では、安村に続くことが出来る可能性がある芸人について伝えている。

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