夜中のジュースやアイスクリームが「夜型幼児」をつくる…日本人の母親6000人調査で判明
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月20日 9時26分
糖質の多い夜間のおやつには注意が必要
生活が「夜型」に移行して、朝起きられずに学業・活動不振に陥る児童・生徒が増加している。それが常態化して不登校となり、ひきこもるケースも多い。その遠因として注目されているのが朝食抜きの生活で、近年、幼児期の夜の食生活とも関連しているとの見方が徐々に広がっている。そんな中、「日本人幼児の睡眠行動における夜食とスクリーンタイムの関連・横断的研究」が国際的なオープンアクセスの論文雑誌「CHILDREN」9月4日号にアップされ話題になっている。報告は日本の時間栄養学研究の第一人者で、早稲田大学名誉教授にして愛国学園短期大学特任教授である柴田重信氏らの研究チームによって行われた。柴田教授に詳しく聞いた。
■体内時計を乱し健康を損なう
人間を含む動物は、太陽光と食事の刺激で体内時計を「24時間」にリセットしている。睡眠不足や摂食障害などの生活習慣の乱れは体内時計のリズムを狂わせ、社会的健康問題に直結していることがわかっている。
「今回の研究では幼児の睡眠と夜食の習慣を軸にクロノタイプ(昼型か夜型か)、社会的時差ボケ(体内時計と実際の時間とのずれによる不快感)、およびスクリーンタイム(テレビ、コンピューター、スマホなどの画面を見るのに費やした時間)などの関係について調査しました」
研究対象は3~8歳の子供の母親6177人(男の子3089人、女の子3088人)。子供の性別、年齢、身長、体重の基本情報のほか、睡眠については、平日起床時間と目覚ましアラームの利用の有無、目覚ましアラームを使用しない週末・休日・平日の入眠時間などを調べた。
夜食については「日本の幼児の間食習慣に関する調査」で上位にランクインした12種類(ジュース、アイスクリーム、チョコレート、せんべい、果物、フライドポテト、キャンディー、プリン・ゼリーなど)を選定。夜食の種類と睡眠時間や質との関係を調査したという。
「結果は、夜食の習慣のある幼児は、そうでない幼児に比べて就寝・起床ともに遅く、睡眠時間が遅いことがわかった。また、睡眠時間が遅い子供は、スナックとしてジュースやアイスクリームなど砂糖入り飲料を選択する可能性が高く、それらを頻繁に消費する傾向にあることがわかりました」
なぜ、ジュースやアイスクリームなど糖質の多い夜間のおやつが問題なのか?
「高血糖、高脂肪の夜食は、翌日の朝食による体内時計のリセット力を弱めてしまうからです。それは子供の夜行性習慣の一因となり、概日リズムを乱す可能性があります」
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