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大谷の大活躍の根底には西海岸の風土《イライラしているヤツなんてひとりもいない》

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月22日 7時47分

大谷の大活躍の根底には西海岸の風土《イライラしているヤツなんてひとりもいない》

大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

 いまから14年前、2010年6月12日のことだ。

 ドジャースの本拠地では対エンゼルス戦が行われた。同じロスを本拠地にするチーム同士の対戦は「ハイウエーシリーズ」と呼ばれる人気カード。ドジャースタジアムには5万2806人が押し寄せた。

 当時のドジャースの監督はジョー・トーリ。松井秀喜のヤンキース時代のボスで、エンゼルス1年目の松井とは「師弟対決」として日本メディアの注目を集めた。

 その試合前だった。ニューヨークを本拠地にするヤンキース対メッツ戦は「サブウエーシリーズ」と呼ばれ、ファンやメディアが注目する。そのヤンキースとメッツで指揮を執った経験のあるトーリにメディアから質問が飛んだ。

「ハイウエーシリーズはサブウエーシリーズと比べてどうか?」「人気や注目度は?」

 するとトーリは「まったく違う。比較にならないよ」と、一笑に付してこう言った。

「この青い空、カリフォルニアの天気を見れば分かるだろう。イライラしてるヤツなんて、ひとりもいないぞ」

 トーリはヤンキース監督時代、しばしば当時のジョージ・スタインブレナー・オーナーからの電話に悩まされたとか。中でも本拠地が同じメッツと、オーナーの自宅とキャンプ地のあるタンパを本拠地にするデビルレイズ(現レイズ)には負けるなと厳命されたそうだ。

 ニューヨークのある東海岸はファンやメディアの厳しさもハンパじゃない。

 今回、大谷翔平(30=ドジャース)のMVP論争で「大谷ではなくリンドア(30=メッツ)がふさわしい」「大谷は打たなければ勝利に貢献しないが、リンドアは激務の遊撃守備でも貢献している」という声が噴出しているのもシビアな東海岸ならでは。

 日本時間19日現在、53本塁打を放っているジャッジ(32=ヤンキース)は70打席本塁打がなく、自己ワーストとニューヨークメディアに騒がれた。

 サイ・ヤング賞5回受賞、メジャー通算4875奪三振のランディ・ジョンソンは、やかましいニューヨークのファンやメディアに辟易、ヤンキースには2年いただけでトレードを志願して自宅のあるアリゾナ(ダイヤモンドバックス)に戻っている。

矢面に立たされるリスクを排除

 松井秀喜もヤンキース1年目はニューヨークのメディアに「ゴロキング」と揶揄され、前出のスタインブレナー・オーナーからは「こんなにパワーのない選手と契約した覚えはない」とこき下ろされた。

 トーリはメッツで1977~81年、ヤンキースで96~07年にニューヨークで指揮を執り、翌08年からドジャースの監督を務めた。

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