1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

小林亜星が豪快に語った作曲法 そして「寺内貫太郎一家」頑固オヤジ役ができあがるまで(本多正識/漫才作家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月21日 9時26分

小林亜星が豪快に語った作曲法 そして「寺内貫太郎一家」頑固オヤジ役ができあがるまで(本多正識/漫才作家)

小林亜星さん(C)共同通信社

【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#210

 小林亜星

  ◇  ◇  ◇

「北の宿から」をはじめ、日立製作所の「♪この木なんの木気になる木~」やエメロンシャンプーの「ふりむかない~で」など耳に残る数々のCM曲を作られた作曲家の小林亜星さん。

 作曲法について尋ねると亜星さんは「ギャグ作る時に頭抱えて考えますか?」とMCのトミーズ雅くんに聞きました。「ほとんど思いもしないアドリブで出てきますね」「そうでしょ! やっぱり一緒だ。私もほとんどがひらめきで15分以内かな~30分考えて出てこないときはいったん捨てて、何時間後か翌日に作るようにしてます」と、とんでもない早さで作曲されていることを明かしてくださいました。

「そしたら『北の宿から』も15分ですか?」「あれは10分かかってないんじゃないかな、すぐあの旋律が浮かんだから依頼されたのと同時にできたぐらいの感覚かな」「そしたら曲作るのに苦労したことは?」「ないな~。だってできないときはしないから。アハハハ!」と豪快に大笑い。

 こんなすごい話を嫌みなく少年のようにおおらかに話される小林さんを見ていて「この感覚で何千曲も作ってきたんやから才能ってすごいな……」と感心したものでした。

 収録後、1974年の大ヒットドラマ「寺内貫太郎一家」について話が及ぶと、当時の亜星さんは金色の長髪にサングラスだったそうです。

「びっくりしましたよ! 太ってる役者さんがいなくて役柄が私の体形にぴったりだって言うんですよ。それでどうしてもやって欲しいって言われて、当時金髪でサングラスかけてたんだけど、丸刈りの“頑固オヤジ風”にしましたよ」

 原作の向田邦子さんは“金髪&サングラス”に難色を示されたようですが、演出の久世光彦さんが坊主頭を提案し、それを亜星さんが受け入れられたそうです。

「演技は、言われるままにやったつもりだけど、メシ食ったり、怒鳴ったり、ケンカするシーンが多かったからアドリブの方が多かったかな」

 毎回、西城秀樹さんを投げ飛ばすシーンが有名でしたが、「あれね……格闘技もやったことないし、力加減がわかんなくて最初は弱くやってたんですけど、西城さんに『僕は大丈夫ですから思い切り来てください!』って言われて思い切りやったらあんなことになっちゃってね。腕を骨折したんじゃなかったかな? 本当に申し訳なかった」と汗を拭きながら恐縮されていました。

「寺内貫太郎一家」出演以降はきっかけがあれば食わず嫌いにならずになんでも挑戦してみる。やる以上は一生懸命やる。「お引き受けして良かったですよ。なんでも縁ですからね」と楽しそうに話していらしたのが印象的でした。

 あの人懐っこい笑顔と心に残る数々の楽曲を残してくださった小林亜星さんも昭和の偉人のおひとりでしょう。

(本多正識/漫才作家)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください