巨人阿部監督が就任1年目V目前だから…「2人だけの秘密」明かします【巨人元バッテリーコーチ秦真司氏が証言】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月28日 9時26分
阿部慎之助監督(C)日刊ゲンダイ
アイコンタクトされるとベンチからこっそり配球のサイン出していた
就任1年目のリーグ優勝はもう目前だ。
2月のキャンプを訪れた際に、慎之助、いや阿部監督に話を聞いた。
「キーマン」に指名した抑えの大勢が、宮崎キャンプ中に右ふくらはぎを痛めて戦線離脱。阿部監督によると、箇所が箇所なので慎重にやらせているものの、「開幕には間に合うでしょう」と代役は考えていないという。
一方で「もし開幕に間に合わなくても絶対に無理はさせたくない」とも。普通、新監督は開幕から白星が欲しいもの。でも阿部監督は「勝負は9月ですから」とキッパリ。腹が据わっているなと感じた。
昨年はリリーフ陣の防御率が12球団ワーストの3.81。そのため、オフにはソフトバンクから泉、阪神からケラーら、他球団のセットアッパー候補を複数補強。救援陣の層を厚くした。「リリーフ陣の3連投をやめようと思っています」とルールも決めた。それでも大勢は特別な存在。右肩痛で5月上旬から2カ月間離脱したが、6月下旬の復帰後は、絶対的な抑えとして抜群の安定感を発揮した。昨年までは9月に投手陣がガス欠を起こすことが多かったが、阿部監督の先を見据えた構想が的中した。
私が巨人の一軍バッテリーコーチに就任したのは2011年オフのこと。「外様」の私がまず行ったのは、阪神戦のデータを洗い出すことだった。気になるところがあったからで、中軸のブラゼルに打率.397、3本塁打、16打点と打たれまくっていた。詳しくみると、空振りやファウルの次の球で違う球種を打たれていたことが判明。同僚の新井貴浩(現広島監督)にも同じ傾向が出ていた。
すでにプロ11年、押しも押されぬ捕手になっていた慎之助のリードが原因だった。打者に反応されると次は必ず球種を変えていた。例えば変化球の後は高い確率で直球。阪神勢は恐らくこの傾向を共有していた。慎之助に指摘すると、「全然気がつきませんでした」と驚いていた。
私は「バッターに反応されても同じ球種を続けてみよう」と言った。12年は天敵ブラゼルを打率.098に抑えられた。
信頼関係が築けると、悩みを打ち明けてくれるようになった。
「ミーティングが細かくて長い」と苦情
「秦さん、リードって難しくないですか? めちゃくちゃ迷うから『サインを出すイップス』になりますよ。何を出したらいいのか分からなくて、最後は出せなくなったことがありますから」
リードにセオリーはあっても、正解はない。「抑えたものが正解」である。
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