女王・山下美夢有の敵は申ジエと主催のJGA…日本女子OP単独首位でも油断できない複雑事情
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月28日 9時26分
山下美夢有(C)日刊ゲンダイ
こんな日もある。
大会2日目の天気予報は雨。午後からは雨量が多くなるとみて、この日のピン位置は10ホール以上が奥目に切られた。選手も雨中でのプレーを覚悟していたが、雨は微々たるもの。予報は外れた。
初日につづきグリーンに着弾したボールはよく止まり、4アンダー2位タイ発進の山下美夢有(23)は2日連続の68をマーク。通算8アンダーで単独首位に立った。
山下を2打差で追うのは申ジエ(36)と笠りつ子(36)のベテラン勢。5アンダー4位には高1のアマチュア岩永杏奈がつけている。
大会史上最長のコースは、ラフが10センチ以上伸びている。飛距離(235.63ヤード=57位)
は出ないが、ボールが曲がらないショットメーカーの山下向きとも言える。
だが、こんな試合でさらに力を発揮するのが申だ。公式戦4勝と海外メジャーの実績(全英優勝2回、23年全米女子OP2位等)が示すように、厳しいコースになるほど上位に入ってくる。
優勝を狙える位置につける申は「今日も高い球とか低い球とか色んな球を打ちながらプレーした。色んな技術が必要なセッティングだったので、18ホール疲れた部分もあるけど同じくらい楽しんでプレーできた。ボールもカットやドローを打って、全部使った1日でした」と語った。
山下にとっては最も警戒する相手だが、初優勝を狙う「女王」にとっては、主催の日本ゴルフ協会(JGA)も大きな壁になりそうだ。
今大会は21年まで優勝スコアは5年連続2ケタアンダーパーだった。22年の通算3アンダー(勝みなみ)で〝記録〟は途切れたが、昨年の原瑛莉花(25)は通算15アンダーでハイスコアに戻った。
「JGAは今年、再び優勝スコアは1桁アンダーに抑えたいそうです。2日目の天候が崩れなかったのは予想外だったでしょう。3日目もピン位置を奥目にしたり、左右の厳しい位置に切ってスコアを抑えるのではないか」(ツアー関係者)
ちなみに、22年大会のアンダーパーは優勝した勝と申の2人だけだった。
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