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要介護認定の壁をどう乗り切るか…申請を嫌がる親への説得法【親を要介護にさせたくない】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月1日 9時26分

要介護認定の壁をどう乗り切るか…申請を嫌がる親への説得法【親を要介護にさせたくない】

本人が嫌がるケースが珍しくない

【親を要介護にさせたくない】#15

 日本の介護保険制度は家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創設された。保険料は40歳から加入している健康保険料の一部として天引きされ、65歳になると年金の受給額に応じて天引き、もしくは納付することになる。そしていざ介護保険サービスが必要になった時、原則1割の負担割合で利用することができる。

 ほとんど天引きされることに違和感があるだろうが、今の超高齢化社会では普通に生きていても介護保険の世話になる可能性が高い。利用できる状態になったら遠慮なく使っていくのが賢い選択だ。けれど、それを利用する本人が嫌がるケースが珍しくない。

 理由は「自分はまだ介護を必要としていない」という矜持。というと聞こえはいいが、要介護認定を受けることを「恥ずかしい」「みっともない」などと、マイナスイメージを持っていることが多い。真面目な性格の高齢者によく見られる。

 実は筆者が申請に関わった義父、義母、実母、全員がこの反応を示した。自分に要支援、要介護のお墨付きが付くことがどうにも嫌だとゴネ、人の力など借りなくても自分で何とかできると言い張った。とはいえ、認定されないと介護施設の利用や自宅での家事援助、福祉用具の利用などを頼れない、もしくは実費扱いになってしまう。

 ここは何とか説得するしかない。最初は正攻法で制度のあらましやどのようなことができるかを詳しく説明したが、見事に右から左に聞き流された。そこでお金の話を絡め、介護保険料をずっと天引きされていること。申請しないと損してしまう。たとえ要介護申請が通っても、嫌なら介護保険サービスを利用しなくてもいい--など譲歩案を出していくことで渋々OKが出た。

 ただし、ここでホッとしてはいけない。その後の調査員による聞き取り調査で日常生活の困りごとなどの質問を受けると、ここぞとばかりに「私は何も困っていない」「何でも自分ひとりでできる」アピールを始めてしまうのもよくある話。調査員はそういう答えに慣れているものの、同席する家族としては、具体的な困りごとなどをしっかり説明できるよう準備をしておきたい。もちろん、親本人にも「認められないと、これまで払ってきた介護保険料が無駄になる」などの念押しも忘れずに。

(西内義雄/医療・保健ジャーナリスト)

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