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コロナの「再感染」「再々感染」が続出しているワケ…やはり、風邪と区別がつきにくい

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月1日 9時26分

コロナの「再感染」「再々感染」が続出しているワケ…やはり、風邪と区別がつきにくい

マスク姿の人を街中で見かけることは激減したが…(C)日刊ゲンダイ

 7月に「第11波」到来が報じられた新型コロナウイルス。一方で、マスク姿の人を街中で見かけることは激減した。コロナについて、知っておくべきことは?

■伝播力は祖先力より上

「現在でも年に2~3回はコロナ感染者数が急増する波があり、高齢者ほど入院者数は顕著に多い。また、コロナの入院者数、死亡者数はどちらもインフルエンザを上回っています。アメリカの2023年10月1日から24年3月31日までのコロナとインフルエンザ死亡の割合では、コロナ2.5%に対し、インフルエンザ0.55%。疾病負荷はコロナの方が高い」(呼吸器内科医でモデルナ・カントリーメディカルディレクターの石井健男氏=以下同)

 現在、流行の中心となっているのは、オミクロン株の変異株「KP.3」だ。2023年末から主流株となっていた「オミクロンJN.1株」の子孫株になる。23年夏くらいまで流行していた「オミクロンXBB系統株」と系統が大きく異なる。

 東京大学医科学研究所が今年6月、英国科学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」オンライン版で公開した論文では、現在流行のKP.3株は、祖先株JN.1株より周りに伝播する力が強く、過去の感染やワクチン接種で得られた抗体から逃れやすい性質があることが示されている。

 献血を利用した厚労省の抗体調査では、今年3月時点で過去の感染を示す抗体を持つ人が6割以上、東京都や沖縄県では7割超との結果だったが、「コロナに感染したことがあるから(抗体があるから)、大丈夫」とは全く言えないのだ。記者の周辺でも7月以降、「コロナに再感染/再々感染」という人が続出している。

 KP.3株の特徴は、喉の痛み、発熱、鼻水、咳や痰、頭痛など。厚労省は陽性と診断された場合、発症日を0日として5日間は外出を控えるよう推奨しているが、風邪と区別がつきにくいがゆえに、感染者の中にはコロナと気づかず普段通りの行動をとっている人もいるだろう。また、診療が有料で行動制限もかかることから、コロナを疑う症状があっても医療機関を受診しない人がいるのでは、との専門家の指摘もある。

■ワクチンは打つべきか否か

 ワクチン接種には賛否両論あるものの、コロナ対策の一つの手段であることは間違いない。モデルナやファイザーでは、現在流行中の株に対応するワクチンの承認を取得している。

「弊社のデータでは、以前流行のXBB系統株に対応するワクチンでは、現在流行のKP.3株の初回免疫、追加免疫ともあまり上がらないという結果でした。また、NEJM誌(医学界のトップジャーナル)には、『XBB ワクチンの効果は対応株に対しては接種から約4週間で最も高く、その後、低下。JN.1系統株(現在流行株の系統)に関してはワクチンの効果は低く、効果が落ちるスピードも速い』、さらに『高齢者ほどワクチンの予防効果の衰退が速い』といった論文が掲載されています」(前出の石井氏)

 コロナワクチンの全額公費による接種は、今年3月31日で終了した。「無料のうちに」と3月に“駆け込み接種”した人は、半年が過ぎる。自治体によって時期は異なるが、秋冬には「65歳以上」「心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があるなど条件に該当する60~64歳」を対象に定期接種が始まる。ここで使われるワクチンは、現在流行株に対応したものなので、接種を検討するのもいいかもしれない。

■コロナ感染後の後遺症について

 厚労省研究班は成人感染者の11.7~23.4%に症状が見られ、小児より割合が2~4倍高かったと公表した。ワクチン接種をした人は、成人・小児ともに未接種者より後遺症が出た割合が低かった。米国の公的な統計では、過去にコロナに感染した成人の10%が現在も後遺症があるとされている。

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