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金欠パドレス率いるシルト監督の正体 アマ出身から這い上がり、金満ドジャースを最後まで苦しめた(友成那智)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月2日 9時26分

金欠パドレス率いるシルト監督の正体 アマ出身から這い上がり、金満ドジャースを最後まで苦しめた(友成那智)

パドレスのシルト監督(C)ロイター/USA TODAY Sports

【メジャーリーグ通信】

 ここ数年、プロの世界で一度もプレーした経験のない大学野球の投手コーチや打撃コーチがメジャー球団のコーチとして採用されるケースが増加している。

 しかし、監督に就任するケースはそう多くない。30球団制になった1998年以降では、プロでのプレー経験のない監督はジョン・ボールズ(マーリンズ)、カルロス・トスカ(ブルージェイズ)、デーブ・トレンブリー(オリオールズ)、マイク・シルト(カージナルス、パドレス)の4例があるのみだ。彼らは、どのような経緯でプロの世界に入り込み、メジャーの監督に上り詰めたのだろう?

 唯一の現役監督であるパドレスのシルト監督(56)は、大学のチームでプレーしたあと、まず高校のコーチに就任。将来性のある人材を見抜く能力があると評価されてカージナルスのスカウトに採用されプロの世界に入った。その後はマイナーの指導者に転じて1A級の監督を振り出しに、2A級、さらには3A級の監督に出世。3Aで成功後、メジャー球団(カージナルス)に呼ばれてベンチコーチに就任した。18年7月に当時のマシーニー監督が成績不振で更迭された際、監督代行に指名され、翌年から正監督になった。

 他の監督たちも、高校や大学のコーチからスカウトに採用されたことでプロの世界に入り、その後、マイナーの監督や球団の育成部門で実績を上げてメジャー球団のコーチに抜擢され、それを足掛かりに監督の座をつかんでいる。

 この4人のうち群を抜く実績を上げているのはマイク・シルトだ。ボールズ、トスカ、トレンブリーの3人はポストシーズン進出が一度もないのに対し、シルトはフルシーズン監督を務めた4年間、いずれもポストシーズンに進出。19年にはナ・リーグの最優秀監督に選出されている。

 今季パドレスは、オーナーの死去に伴う予算の大幅削減で投打の主力がごっそり抜け、大きく負け越すと見る向きが多かった。しかし、シルトはそんな危機的状況を、高い潜在能力を秘めた若手(投手ではキングとウォルドロン、野手ではメリル)をレギュラーに抜擢し、使い続けることで克服した。彼らははじめ結果を出せなかったが、中盤以降大きな戦力に成長し、ドジャースと優勝争いする後半戦の白星ラッシュにつながった。

 シルトの采配の特徴は、リードと守備にたけたベテラン捕手を重用することだ。これはカージナルスの監督時代、カリスマ捕手のモリーナを最大限活用して投手力を向上させた経験に基づくもので、パドレスでははじめ控えだった日系人のベテラン捕手カイル・ヒガシオカを中盤から正捕手に据え、その決断がシーズン後半の爆発力を生んだ。

(友成那智/スポーツライター)

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