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長寿研究のいまを知る(4)老化抑制に強く影響する「サーチュイン遺伝子」と「エピジェネティック」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月3日 9時26分

 実は老化のメカニズムには、このDNAのヒストンへの巻き付き方が深く関わっているという。

「DNAには膨大な遺伝情報が刻まれていて、生物として活動するのに必要な情報が入っています。しかし、そのすべてが常に読み取られているわけではありません。例えば、肺の細胞は肺を正しく動かすための遺伝情報のみが読み取られ、その他は読み取り不可にすることで肺の細胞として機能しているのです」

 DNAが抱える情報のすべてをゲノムと呼び、DNAの塩基配列を変えることなく、遺伝子の働きを決める仕組みをエピジェネティックスと言う。それにより得られた情報がエピゲノムだ。

 この遺伝情報の読み取り/読み取り不可の違いは、DNAのヒストンへの巻き付き方の強弱で決まる。巻き付きが強いところの遺伝情報は読み取れず、弱い場所では読み取るという。

「締め付けが弱い場所のヒストンにはアセチル基の目印がついています。このアセチル基の着脱を調整することで細胞の性質を決めているのです。ところが年を取るとDNAのヒストンへの巻き付き方が弱くなり、必要のない遺伝情報まで読み取ってしまいます。結果、細胞が本来の正しい機能ができなくなってしまうのです。これが老化のメカニズムのひとつです」

 このとき、サーチュイン遺伝子が活性化していれば、脱アセチル化酵素であるサーチュインの働きによりアセチル基の調節が正しく行われる。すると、再びDNAのエピゲノム情報が正確に読み取られるようになり、全身の細胞のDNAの修復などが行われ、老化を遅らせることにつながるというわけだ。

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