「睡眠時無呼吸症候群」は糖尿病治療で治す… 実は合併率が高い
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月4日 9時26分
(C)日刊ゲンダイ
いびきが急に止まり、しばらく静かになったと思ったら再び激しいいびきを始める。それが一晩中続く。寝室を共にする妻から「うるさくて眠れない。今日から寝室は別々にして」と夜の三くだり半を食らい戸惑っている男性もいるのではないか? 人肌恋しい秋。ただでさえ減っている“夜の共同作業”の回数がさらに遠のくことに焦りを感じている人もいるはずだ。ならば、まずは糖尿病治療を受けてはどうだろう。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。
◇ ◇ ◇
糖尿病にはさまざまな合併症がある。代表的は「し(神経障害)、め(網膜症)、じ(腎症)」と「え(壊疽)、の(脳梗塞)、き(虚血性心疾患)」だ。
ほかに、糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性高血糖症候群、感染症、がん、骨折などがあるが、忘れてならないのが「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)だ。
「寝ている間に10秒を超える無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。上気道閉塞を伴う閉塞性と、それのない中枢性があり、多くは閉塞性です」
無呼吸や低呼吸を繰り返していると、体に必要な酸素が十分吸収できず低酸素状態になる。毎晩その状態が続くことで、高血圧や脂質異常症などさまざまな合併症が現れ、その結果として脳梗塞や脳卒中など命に関わる病気が引き起こされることがわかっている。実際、川崎医科大学の研究チームは2011年の「脳血管障害患者における睡眠呼吸障害に関する検討」で、脳梗塞や脳卒中で入院した人の9割がSASだったと報告している。
「それほど重要な病気でありながら、困ったことにその症状から明らかにSASと疑われる人でも医療機関に行かずに未治療のケースが少なくありません」
SASを疑うべき自覚症状は、大きく激しいいびき、睡眠中の息詰まり、熟睡できず休息感のない睡眠、日中の過度の眠気に加えて起床後の咽頭痛、口の乾き、頭痛に見舞われる、などだ。注意したいのは、SASの人は糖尿病を患っているケースが少なくないこと。
「閉塞性SASの原因は顎が小さい、飲酒、睡眠薬の服用、へんとう肥大、歯並びの悪さなどさまざまですが、大きいのは肥満。体格指数(BMI)が30を超えると7倍多くなるといわれています。そのためSASは糖尿病とも関係が深く、ある研究ではSAS患者の糖尿病合併率は17.5%と報告しています」
■糖尿病治療薬でSASの症状が軽くなったケースも
では、SASに心当たりがあって、不安に思っている人はどうすればいいのか?
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