鈴木大地氏がTV番組で水連会長就任は「罰ゲーム」発言…《新たな内紛の火種になりかねない》と識者指摘
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月5日 9時26分
鈴木大地(C)日刊ゲンダイ
水連トップの発言に驚いた向きも少なくないだろう。
去る2日、日本水泳連盟の鈴木大地会長(57)がバラエティー番組の「ぽかぽか」(フジテレビ系)に、日本バレーボール協会の川合俊一会長と生出演。会長職の仕事について、「みんなやりたがらないんですよね。言っていいのかなあ、罰ゲームみたいなもんなんで」と発言。MCのハライチ・澤部佑が「言わないほうが…」とフォローを入れたものの、順天堂大の教授職を務めるだけに、「(給料は)ないないない。日当は出ますけど、基本的にボランティアです。基本的には恩返し。職場(順天堂大)の理解があるからできている」と、打ち明けたのだ。
スポーツライターの津田俊樹氏はこう言う。
「確かに水泳連盟の会長職はいまだにボランティア。それに異を唱えたのが元サッカー協会会長の川淵三郎氏でした。『お金が発生すれば責任が生まれる。給料がないからいい加減になる』というのが彼の持論で、サッカー協会やバスケットボール協会などは役職手当が出る。団体によってそのシステムはまちまちです」
とはいえ、水連はかねて、重大な課題を抱えている。連盟内の内紛だ。
昨夏の世界水泳ではリレーの選手起用をめぐって平井伯昌コーチと梅原孝之競泳委員長が衝突。大会後、一部の女子選手がSNSで「結果だけを選手に求めて、サポートする環境もなく、具体的な対策、改革が無ければ今後も変わることはない」などと、公然と批判する事態に発展した。
水連は選手、コーチと緊急会合を開き、池江璃花子ら約20名選手が梅原委員長に不満の声をぶつけたが、平井コーチはその後の大会への参加を辞退。平井コーチはパリ五輪を控えた今年3月にヘッドコーチに復帰したものの、パリ五輪のメダル数は銀1個と惨敗すると、「大改革しないと、次の4年後も厳しい」と梅原委員長から、水連元副会長の上野広治氏への交代を要求。梅原委員長は来年6月までの任期を前倒しして、9月末で退任した。
そんな中、21年6月に水連トップに就任した鈴木会長は、必ずしも存在感を発揮しているとは言い難いのも確かだ。
「水泳は昔から現場のコーチと連盟との主導権争いが続いてきた。それを見てきた鈴木会長も苦しい面はあったのかもしれませんが、バラエティー番組でこんな発言をすれば、水泳連盟内で『会長は何を言っているんだ』と、新たな内紛の火種になりかねません。こんな状態では、4年後の28年ロス五輪も厳しい結果になるでしょう」(津田氏)
会長が先頭に立って連盟改革を断行するくらいでなければ、競泳ニッポンの復活は遠そうだ。
◇ ◇ ◇
パリ五輪で惨敗だった競泳について、五輪4大会で計4個のメダルを獲得したレジェンドが「時代に逆行している」と痛烈に批判したこととは、いったい何か。
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