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湘南美容外科の親会社が米ナスダックに上場した狙い 創業者・相川佳之氏はシンガポールに転居(小林佳樹)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月5日 9時26分

湘南美容外科の親会社が米ナスダックに上場した狙い 創業者・相川佳之氏はシンガポールに転居(小林佳樹)

湘南美容外科クリニック創業者の相川佳之氏(提供写真)

【経済ニュースの核心】

 美容外科の湘南美容クリニックの親会社SBCメディカルグループホールディングスが9月18日、米ナスダック市場への新規株式公開(IPO)をした。日本市場に比べて上場の条件が緩く、流動性の高いナスダックをあえて上場の場に選んだのは同グループの創業者(100%株主)の相川佳之氏だ。

 湘南美容クリニックは2000年3月、相川氏が神奈川県藤沢市に「藤沢院」を個人開業したのが始まり。買収などを通じて日本最大規模の美容医療クリニックへと成長させた。サービス内容も美容整形、医療脱毛、AGA薄毛治療、審美歯科治療にはじまり、不妊治療、レーシック・ICL治療などへ広げている。

 創業者の相川氏は、「ともすれば不透明な美容外科料金をガラス張りにし、ホームページで5万件以上のビフォー・アフター写真を掲載し、担当ドクターごとに見られるようにするなど、患者の不安解消に努めた。アフターケアの面でも、美容外科業界初の保証制度を取り入れ、全ての治療に対して保証書を発行したり、施術後の注意事項や一般的に発生しやすい悩みや不安に対応するメールを、術後それぞれのタイミングに合わせて送る『メールアフターフォローシステム』を業界に先駆けて導入するなど、アイデアマンだ」(大手信用情報機関幹部)という。

 また、難病の子供たちへの支援などにも熱心で、2011年にカンボジアに2棟の小学校を建設。「情熱小学校」と名付けた。グループを挙げて瀬戸内海の無医村診療に取り組んでいる。

■創業以来、増収増益で運営

「湘南美容クリニックは創業以来、23年間、増収増益を続け、無借金で運営してきました」(相川氏)という。

 ただ、「美容や脱毛、エステ業界は信用不安を含めて悪評だらけの会社が多いのですが、その中にあって湘南美容クリニックは財務内容も良好で、サービス面も高く評価されています。しかし、医療については、研修医の美容医療への即時就職はこれから難しくなるとされており、成長鈍化が予測される。そのため海外に活路を見いだすためにナスダック上場を選んだのでしょう」(メガバンク幹部)とされる。

 相川氏も「日本だと医療機関は上場できないため、資金を調達する場合は、銀行から借りるしかありません。また、病院は土地建物付きが多いので、バランスシートが重たく、大きめの病院だと100億、200億ほどの資金が必要です。これを自己資金でM&Aを実施していくのは難しいです」と語っている。

 相川氏は2023年8月、シンガポールに転居した。「シンガポールへの転居は税金対策もあるのだろうが、ナスダック上場で得た資金でより事業のグローバル化に拍車がかかるのではないか」(大手証券幹部)とみられている。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

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