女子プロ国内「ビッグ4」米挑戦…ツアー切符得られてもその先に待ち受ける「5月の壁」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月5日 10時45分
山下美夢有(C)共同通信社
受かっても安心できない。
2年連続年間女王の山下美夢有(23)と、今季7勝でメルセデスランクトップを走る竹田麗央(21)が、来季の米ツアー参戦を目指して12月の最終予選会(5~9日、マグノリアグローブGC)にエントリーしたことを発表した。
山下は「海外メジャーで優勝したい、そしてそのためにはゴルファーとしてさらにレベルアップをしたいと思うようになり、このような決断を致しました」などとコメント。竹田も「米ツアーでやってみたいというのが昔からあった。今年7勝することができて、すごく自分のゴルフに自信が持てるようになった。米国でもやってみたい」と言った。
これで岩井明愛(22)、千怜(22)姉妹と合わせて国内ツアーの「ビッグ4」が全員米女子ツアーに挑戦することになった。
5日間にわたって行われる最終予選会は、昨年まで上位20位までが出場資格を表すカテゴリーは「14」となり、21位から45位までがカテゴリー「15」だった。
それが今年から上位25位までがカテゴリー「14」となり、26位から45位までの選手は出場権が消滅。
つまり最終予選会からツアー切符を得られる人数は大きく減る。山下らの実力なら、25位までに入ることは難しいことではないだろうが、問題はその先だ。
予選会からツアーの出場権を得た、いわゆる非シード選手たちは、例年5月と7月に、2度のリシャッフル(出場優先順位)があるのだ。
5月のリシャッフル時点で獲得ポイントが上位80位以内に入っていれば、7月のリシャッフルまでは優先順位がカテゴリー「8」までジャンプアップ。海外メジャーも含めて全試合に出られるが、ポイントランク81位以下なら出場試合は限られる。
今季で言えば、吉田優利(24)がそうだった。5月と8月の2回のリシャッフルで、ともにポイント上位80位に入れず、現在は132位。今季は米女子ツアーに14試合しか出ておらず、シード入り(80位以内)は厳しい状況だ。
ツアー関係者が言う。
「吉田は1回目のリシャッフルに失敗し、8月のリシャッフルまで4試合しか出場できず。全米オープンは現地の予選で切符を手にした。山下たちは最終予選会はできるだけ上位で通過し、1回目のリシャッフルまでにトップ10入りするなどしてポイントを多く稼ぐことが肝要。出場順位見直しの重圧から解放されなければ、実力があっても思い切ったプレーができずに苦戦します」
4人とも海外メジャー優勝が夢だが、その前に越えなければならない壁がある。
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