1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

芸人のプライベートをのぞき見…「今夜ファミレスで」には“ネタ作りの裏話”としての説得力あり(鈴木旭/お笑い研究家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月7日 11時3分

芸人のプライベートをのぞき見…「今夜ファミレスで」には“ネタ作りの裏話”としての説得力あり(鈴木旭/お笑い研究家)

東京03の飯塚悟志(左)とシソンヌのじろう(C)日刊ゲンダイ

 9月20、27日と2週にわたって放送された「今夜ファミレスで」(日本テレビ)が、想像以上に面白かった。同番組は、東京03・飯塚悟志がゲストとともにネタについて本音で語るトークバラエティー。ファミレスという身近な空間で、ネタ作りや単独ライブのエピソード、名作ネタなどについて率直な思いをぶつけ合う、というものだ。

 ゲストは1週目がシソンヌ・じろう、2週目がダイアン・ユースケ。どちらの回も興味深かったが、特に印象に残ったのは、じろうとのやりとりだ。お互いに今年開催した単独ライブをチェックしていたようで、序盤からシソンヌのネタ「タオル」の話題で盛り上がる。このネタは、“臭うときがある”無職の男が友人からもらったフワッフワのタオルによって気付きを得る、という何とも変わったシチュエーションコントだ。

 これに飯塚が「どうあのネタ思いついたんだろう」と問うと、じろうは「今治タオルとか、あのへんからちょっとこう高級なタオルって出始めたじゃないですか。そこを知らない人ってたぶんいるんだろうなと思って。あと、仕事できるけど、臭い人ってけっこうお笑いの作家さんとかディレクターさんでも多いじゃないですか。(中略)それをちょっとこう(くっつけた)」と笑う。

 その言葉を受けてもなお、首をかしげる飯塚。その後も、2人が影響を受けたシティボーイズにまつわる話、ネタの作り方、コントのセットについてなど話題は多岐にわたったが、最近のシソンヌのコントは「(どう作ったのか)全くわかんない」と口にする飯塚の表情が何より新鮮だった。

 これまでも、ネタについて語り合う番組や企画がなかったわけではない。「ゴッドタン」(テレビ東京系)の「~お笑いを存分に語れるBAR~」、芸人が妬むネタ、ネタ作りのこだわりについてトークする「NETAMI」(日本テレビ系)、「THE CONTE」(フジテレビ系)の「コント掘り下げトーク」もこれに該当するだろう。

 ただ、こうした番組の多くはスタジオ収録で、プライベート空間をのぞき見するようなリアルさはなかった。一方、ファミレスで自作の人生ゲームやかるたを作ったりしながらトークする「有吉クイズ」(テレビ朝日系)の「ファミレスシリーズ」のような企画もある。しかし、これは「ゲーム×トーク」の色合いが強く、バラエティー然としたシステムが働いている。

 その点で、「今夜ファミレスで」はストレートながらフレッシュな印象を受けた。加えて、「実際に飯塚はファミレスでネタを作っている」という説得力が独特な空気感を生んでいたのだろう。

(お笑い研究家・鈴木旭)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください