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10.1内定式後も採用活動を続ける企業の本音…背景に人手不足と就活の早期化が

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月8日 9時26分

10.1内定式後も採用活動を続ける企業の本音…背景に人手不足と就活の早期化が

10月1日には主要企業が内定式を実施(写真は、NEC)/(C)共同通信社

 2025年3月卒業予定の大学生を対象にした企業の就職「内定式」が10月1日から実施されている。経団連が策定した「採用選考に関する企業の倫理憲章」で正式な就職内定日は10月1日と定められ、多くの企業が内定者のフォローに力を入れているのだ。

 人手不足による学生優位の売り手市場で就活の早期化や一人の学生に複数企業が内定を出すなど、限られた学生を多くの企業が奪い合う状況が続いている。

「可能な限り内定辞退数を減らそうと、多くの企業が内定を得た学生と適切なコミュニケーションを取る、いわゆる内定者フォローの取り組みを実施しています。内定式を工夫する企業や、企業の見学会、他の内定者・社員との交流などを実施するケースも見られます」(ニッセイ基礎研究所総合政策研究部の河岸秀叔氏)

 就職・求人活動の情報を提供するキャリタスの7月1日時点の就職活動調査によると、新卒大学生の就職内定率は89.7%と9割に達する。内定取得学生のうち、就職先を決めて就職活動を終了した学生は81.6%。本命企業の結果が出たことで就職活動を終え、内定式に参加した学生が多かったのだろう。だが、内定式後も内定辞退をする学生は少なくないと、同社の広報担当・吉田治氏がこう言う。

「就活の早期化で内定を受ける機会が増え、一人の学生の内定社数の平均は2.6社に上り、内定取得学生の多くが複数の企業から内定を得ている。内定を辞退する学生は毎年増えており、企業は学生を引き留め、囲い込むため内定式を重要な区切りと捉えています」

 採用予定に対する内定者の充足率の平均は54%。大手企業では6割を超えるが、中小企業では44.3%まで下がる。業界別でも金融の67.4%に比べ、サービス業は48.7%と差が開く。

 企業、業種によるが、面接や内定出しのタイミングを前倒しで進めても企業間の競争が激しく内定者を確保できず、内定式後も採用活動を継続している企業の割合は年々増加している。

 しかも採用を継続している企業の6割近くが「募集人員の充足は難しい」と考え、充足できる見込みを持つ企業は約19%でしかない。新卒者獲得争奪戦の厳しさがうかがえるのだ。

 一方、今年の就活生に対し企業側が持つ印象は「就業意識の低い学生が増えた」「企業理解、仕事内容への理解不足の学生が増えた」と感じる企業が4割前後となっている。

「就業意識や企業理解などが高い学生と低い学生の差が開き、学生の二極化が進んでいるとみる企業が6割を超えています」(前出の吉田氏)

 人手不足、売り手市場に学生側も甘えてはいけない。

(ジャーナリスト・木野活明)

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