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認知症家族へのイライラが抑えられない…つい怒鳴って自己嫌悪【第一人者が教える 認知症のすべて】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月8日 9時26分

認知症家族へのイライラが抑えられない…つい怒鳴って自己嫌悪【第一人者が教える 認知症のすべて】

写真はイメージ

【第一人者が教える 認知症のすべて】

 認知症の家族の介護でイライラが抑えられません、時に手をあげそうになります、どうすればいいでしょうか--。こんな相談を受けることは少なくありません。

 13年間、認知症のお母さんと2人で暮らし、昨年、自宅で看取った女性は、当時を思い出してこう言いました。

 ★ ★ ★

 お母ちゃんとずっと二人三脚でやってきたんです。一緒に過ごしたくて、自宅で介護することを選びました。

 そんな大好きなお母ちゃんでも、同じことを何度も聞かれたり、やらないでほしいことを何度もされたりすると、イライラッとして、怒鳴ってしまい、自己嫌悪に陥ってしまいます。本には「怒ってはいけない」「優しく寄り添って」といったことが書かれているけど、期間限定なら優しくできても、毎日のことですから無理です。

 そんな時は、介護経験がある友人、介護中の友人にウワーッと愚痴るんです。ため込まないで吐き出そうね、お互いさまだからね、とライングループでつながっていて、みんなそれぞれ言いたい放題。みんな経験者(経験中)なので、何を言っても責められないし、意見もされないのが安心でした。

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 相手の言動にイライラを覚えるのは、介護に限らず、育児でも、夫婦間のやりとりでも、起こり得ること。思い通りにいかずイライラするのは正常心理です。だから、イライラを抑えようなんてしなくていい。

 一方で、相手にイライラされると、そんなつもりじゃなかったのにこっちもイライラしてしまう経験も、誰もがあるはず。認知症のご家族の場合、介護者のイライラがより顕著に相手のイライラに火をつけてしまい、悪循環に陥りがちです。

 イライラを少しでも減らすために、気持ちを吐き出したり気分転換を図ることは非常に大事です。デイサービスやショートステイを利用して距離を保つ。認知症カフェや介護者の会などに参加するのもいいでしょう。私が、患者さんとの診察でご家族にも同席してもらうのは、ご家族の不満に耳を傾けるためでもあります。ご家族が不満を訴える。それを聞いていた患者さんが不意に「いつもありがとう」と口にする。そんな場面もよくあります。

施設なんかに入れて、親不孝者! 母親からの罵倒がつらい

 2年前からお母さんが介護施設で暮らしているという男性(60代)。だいたい月1回くらいのペースで施設へ面会に行っているそうですが、その都度、お母さんから罵倒されるのがつらいと話します。

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