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ゴルファーは「環境」に翻弄され育っていく…米ツアーで成功目指すなら早期挑戦すべき理由(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月9日 11時32分

ゴルファーは「環境」に翻弄され育っていく…米ツアーで成功目指すなら早期挑戦すべき理由(羽川豊)

米国選手は池に育てられる(C)ロイター

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

「米国のコースは何が難しいのですか?」

 そんなことをよく聞かれます。米国では第1打がフェアウエーを外れるとバンカーや池越えとなるケースが多く、バーディーチャンスにつけることは難しい。もちろんすべてではありませんが、国内コースはラフを伸ばしていなければ、第1打を多少曲げてもグリーンを狙えるし、バーディーが取れることもある。

 米国の国土は、日本の約25倍もあります。「このホールはバンカーと池をどこへ置くか」というコース設計家の考えを100%図面に盛り込めるし、その通り仕上げることができる。ミスショットには、それなりのペナルティーを科す一方、ゴルファーにはコース攻略の選択肢を与えます。

 さらに米国のコースといえば「池」です。毎年「ザ・プレーヤーズ選手権」が行われるTPCソーグラス(フロリダ)が典型でしょう。17番は池に囲まれたアイランドグリーンが名物。左サイドに大きな池が広がる18番は、第1打を右に逃げすぎると第2打で樹木が邪魔になる。米国は、ホールの両側、片側、グリーン回りや手前に池が配置されたコースが非常に多い。米国のゴルファーは池で痛い目にあい、腕を上げます。池を怖がっていては試合に勝てないことは身に染みています。

 日本は限られた土地に18ホールを押し込み、直角に近いドッグレッグホールや極端な打ち上げ、打ち下ろしが珍しくありません。プロゴルファーの飛距離は1990年代から30ヤード以上も伸びています。プロの試合を行うために難易度を上げるには、フェアウエー幅を絞る、ラフを伸ばす、ピン位置を傾斜地に切る、グリーンを硬くするなど、セッティングで対応しなければなりません。

 池がゴルファーを育てるのが米国なら、林間コースが多い日本は、ホール両脇の樹木が「師匠」です。第1打を林に入れたらスコアになりませんから、ドライバーの精度を上げることは上達の必須条件。同時に林からの脱出手段も学びます。

 私は栃木出身なので山を崩したコースでゴルフを覚えました。山のあった逆サイドはセーフティーエリアなので、どうしてもティーショットはそちらを狙う。その癖がついてドライバーは得意ではありません。

 関西のコースはフェアウエーが狭いところが多いので、飛ばし屋より曲げないゴルファーが多い。風が強い沖縄育ちなら、風の影響が少ない低弾道のボールをコントロールできるようになる。

「環境が人をつくる」という言葉は、ゴルファーにも言えることです。米ツアーで成功する夢を抱いている若手は多いでしょう。チャレンジは早いに越したことはありません。

(羽川豊/プロゴルファー)

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