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若いころから「ぎっくり腰」を何度も…コルセットでやり過ごしてきた【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月9日 9時26分

若いころから「ぎっくり腰」を何度も…コルセットでやり過ごしてきた【ひどい腰痛も8割治る】

写真はイメージ

【ひどい腰痛も8割治る】#36

 2年前、突然腰痛になったという60代の男性患者さんがいらっしゃいました。ご本人いわく「原因は寝違えたからかも」。しかしよく話を伺うと、20代のころから何度もぎっくり腰を発症。そのつど接骨院で施術を受け、時にコルセットを装着してやり過ごし、結局は整形外科に行くことはなかったそうです。

 今回の症状はこれまでに比べて軽い方だということですが、それでも我々のクリニックに来られたのは、こうして長年改善がみられないことに、いい加減に業を煮やされてのことでした。

 ぎっくり腰は、急性腰痛症と呼ばれるもので、はっきりした病名がつかない急性腰痛の総称です。

 発症のきっかけとして一般的に知られているものに、「重い物を持ち上げた時」というのがあります。くしゃみをした時や、下に落ちたゴミや物を拾おうとした時といった日常のなにげない動作がきっかけで起きることも少なくないのですが、それらに共通しているのが「椎間板に力がかかりやすい中腰の姿勢で行われている」ということ。

 ですがぎっくり腰のはっきりとした原因はいまだ解明されていません。そのため、ひょっとすると別の病気が隠れていることも考えられるため、目安として2週間以上経っても症状が回復しない場合や繰り返す場合は、他の病気が原因ではないか、整形外科を受診して確認することが大切です。内臓の病気で腰痛が起こることもあります。尿管結石発作では急激な腰痛を引き起こすこともありますし、その他の内臓の病気と腰痛の関連も少なくないといえます。

 またぎっくり腰に関連して指摘しておきたいのは、コルセットに頼り過ぎることは禁物だということです。

 コルセットを巻いて痛みを和らげること自体は特段問題ありませんが、巻いた状態で寝たり、痛みが少ない姿勢で巻き続けることは良くないのです。コルセットは、あくまで痛みを出来るだけ少なくさせた状態で動けるようにするためのサポートツールと考えましょう。

 むしろなるべく着けずに出来る限り普段通りの生活を心がける方が、天然のコルセットである腹筋や背筋を少しでも強化することになり、回復を早めます。

 冒頭の患者さんを改めてMRI診察したところ「椎間板ヘルニア」という結果に。背骨の間のクッション材である椎間板が変形して飛び出し、神経を圧迫する病気です。

「咳をするだけでもひびくこともある。くしゃみは怖いために気をつけている」と男性。本当はスポーツジムに行って体を動かしたいし、来年は海外旅行にも行きたい──。そのために、治療を頑張る、とのことでした。 =おわり

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)

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