《城島健司#1》辛口の松永浩美さんを「本当に10年に1人の選手かもしれん」と唸らせた新人時代【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 17時0分
城島健司(C)共同通信社
【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】#16
城島健司(1)
◇ ◇ ◇
球団会長付特別アドバイザーを務める城島健司(48)は、僕が打撃投手をしていた1994年ドラフト1位で別府大付高から入団しました。
あれは忘れもしない95年、オーストラリアのゴールドコーストでの春季キャンプ。打撃練習で18歳の城島相手にボールを投げたところ、右翼フェンスを越える逆方向の一発。打撃投手は打たせるのが仕事ですが、それでも高卒ルーキーが春のキャンプで逆方向に柵越えなんて、見たことがありませんでした。
打撃については凄まじいものを持っており、「日本史上最高のスイッチヒッター」と言われた松永浩美さんをうならせたこともあった。当時からバッターとしての素質は「10年に1人」と言われていましたが、松永さんは「城島が10年に1人なら、秋山幸二さんは20年に1人や」と話していました。
しかし、1年目のオープン戦、城島が代打で3球三振をすると、試合後、辛口の松永さんがぼそっとつぶやきました。
「いっちゃん(松永さんは僕をこう呼びます)、あいつ本当に10年に1人の選手かもしれんな」
3球三振なのに? といぶかる僕に、松永さんはこう続けました。
「タイミングを取れる取れないって話じゃない。バットを振るってことをしっかりできている。見る目が変わったわ」
そう言われると、僕もなんだかその気になってきたものです(笑)。
前年の94年に吉田豊彦さんと最優秀バッテリーに輝き、自身初のベストナインを獲得した吉永幸一郎も、1年目から城島台頭を予感していた一人。
ある時、「田尻さん、新人の城島どう思う?」と聞かれたので、「今のところはおまえの方が全然上よ」と答えました。でも、その数年後、吉永は「俺、捕手やめるわ。首脳陣も城島を使いたがってるし……。俺もリードは極めたつもりで、他球団の捕手の配球も読めるから」と、内野手に転向したのです。吉永もベストナインを2回獲得した捕手。続けようと思えば続けられたけど、その時はすでに城島を認めつつあったのだと思います。
捕手として当時ベテランだった工藤公康さんや武田一浩さんに厳しく育てられた話は有名です。
工藤さんを「あいつ、カーブも捕れねえ。股間抜けてったよ」と怒らせていましたが、高卒1年目の捕手に工藤さんのカーブを捕れというのも酷な話。城島も「あんなの捕れませんよ。やばいっすよ」と嘆いていたほど。
でも、城島は決して逃げず、怒られたら、むしろ「ナニクソ!」と自分から向かっていく。己の未熟さを認める素直さと、それ以上の負けん気がありました。
そんな城島ですが、普段は陽気でいたずら好きの面もあります。
(田尻一郎/元ソフトバンクホークス広報)
◇ ◇ ◇
●関連記事【城島健司の巻②】…では、城島氏が最優秀バッテリー賞の授賞式で先輩投手に仕掛けた「いたずらの中身」についてユーモラスにつづられている。
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