視力がよく、目が健康な人ほど「緑内障」の発見が遅くなる【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 9時26分
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【一生見える目をつくる】#34
日本で中途失明の原因のトップとなっているのが「緑内障」です。視神経が傷ついて視野が狭くなっていく病気で、日本では40歳以上の20人に1人、70歳以上だと10人に1人が罹患(りかん)しているといわれています。
原因のひとつが、眼圧の高さ。眼圧とは、目の内側から外側にかかっている圧力のことです。眼圧が上昇すると視神経が圧迫されて傷がつく。傷がつくと、だんだんと見える範囲が狭くなっていきます。ただ、特に日本人では眼圧が正常でも緑内障を発症する人が多く、正常眼圧緑内障と呼ばれています。
緑内障で大切なのは、早い段階で緑内障を見つけること。早期の段階で治療を始めれば、視野が欠けるスピードは緩やかになり、寿命が尽きる日まで視力を維持できるのです。
ただし、自覚症状が出てくるのはかなり進行してから。その上、視力自体は問題なく(視力検査で1.5、2.0という場合も珍しくありません)、視野の欠けがあっても正常な方の目で補って見てしまうことから、本人はなかなか気づきません。
私はこれまで多くの患者さんを診てきて、視力もよく、目の病気にかかることがない人ほど、緑内障の発見が遅れる傾向にあると感じています。なぜなら、眼科に行くことがないから、です。
たとえば近視の人や目にものもらいなどができやすい人、ドライアイの人などは眼科に来る頻度が高い。来院した患者さんには必ず眼圧や眼底の検査をしますので、緑内障の疑いがあれば早い段階で見つけられます。
目に悩みがなくても、視力がいいと思っていても、緑内障のリスクが高くなる40代からは、年に一度眼科を受診することを強くお勧めします。
なお、「緑内障の原因は加齢ですか」とよく聞かれますが、答えはほぼイエスだけれども、100%ではありません。
もともとの目の構造上、眼圧に対して視神経が弱く、若くても緑内障が始まっている人もいるからです。
とはいえ、視神経や目の組織は若い世代ほど強いもの。年を重ねると、当然それらが弱くなっていく。そうすると内圧に耐えられなくなり、視神経に傷がついて緑内障を発症する人が多くなります。つまり、年齢を重ねると発症するリスクが上がるということです。
(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)
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