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子どものいびきを見逃すな(3)症状は夏に軽くなり冬に重くなる

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 9時26分

子どものいびきを見逃すな(3)症状は夏に軽くなり冬に重くなる

写真はイメージ

 子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因は、主に「アデノイド・口蓋扁桃肥大」であり、そこに「アレルギー性鼻炎」が併存。さらにはしばしば「下顎の発達不全」が見られることもある。 

 小児の睡眠障害を専門とする「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」(愛知県)の杉山剛院長が言う(以下も杉山院長)。

「アデノイドと口蓋扁桃の肥大だけが原因であれば、アデノイド切除術や口蓋扁桃摘出術によって原因を取り除くことで睡眠時無呼吸症候群が改善するでしょう。しかし実際は、他の2つの原因も絡んでいるので、手術だけでは良くならないこともある。世界的な調査でも、アデノイド切除術や口蓋扁桃摘出術で良くなるのは80%程度と言われています。またアデノイドと口蓋扁桃の肥大があったとしても、何でもかんでも手術で取り除こうというのはトゥーマッチです」

 アデノイド・口蓋扁桃肥大は2~3歳ごろから大きくなり、7歳ごろにピークとなり、10歳ごろには自然と小さくなる。肥大の程度によっては、小さくなるのを待ってもいいケースがある。親が子どもの時にアデノイド・口蓋扁桃肥大の手術経験があり、苦痛だったから我が子には受けさせたくないというケース、手術のためには1週間の入院が必要となるが、夫婦共働きで対応が難しいというケースなども。

「当院では、まずは原因をしっかり突き止めます。鼻から内視鏡でアデノイドや口蓋扁桃の肥大の程度を調べる。鼻詰まりがあるなら、左右の鼻それぞれどれくらい詰まっているかの検査をし、アレルギー検査を行います。次に、手の指や鼻の下にセンサーをつけ、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素飽和度を調べる簡易無呼吸検査で、重症度を調べます」

 睡眠時無呼吸症候群の重症度の検査には、「睡眠ポリグラフ検査」があるが、入院が必要となる上に10個以上の多数のセンサーを顔や頭に装着するため、大人よりも子どもでは人手がかかる上、検査中にセンサーが外れてしまうことも多いので実施は難しい。

 簡易検査なら装着するセンサーの数は2つと少なく、自宅でできるので、これで重症度を調べ、アデノイド・口蓋扁桃肥大に対して手術が必要かを判断するのだ。

「子どもの睡眠時無呼吸症候群は、夏に軽快し冬に重症化する傾向があります。いますぐ手術とならなくても、定期的に検査を行い、その時にベストの治療を探ります」(つづく)

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