焼き芋は寒い季節に欠かせないスーパーフード…おいしさの秘密は「デンプンの糖化」【時間栄養学的「気になる食品」】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月10日 9時26分
写真はイメージ
【時間栄養学的「気になる食品」】#4
焼き芋
◇ ◇ ◇
焼き芋は日本の秋冬の風物詩として広く親しまれており、その歴史は江戸時代にまでさかのぼります。さつまいもはもともと南米が原産ですが、日本には17世紀後半に中国経由で伝わり、特に九州地方で栽培が始まったといわれています。
飢饉対策としてその栄養価が重視され、江戸時代には全国的に広がりました。その後、江戸の町で露天商による「焼き芋」が販売されるようになり、庶民の手軽なエネルギー源として定着したのです。今でも、焼き芋を焼く際の独特な甘い香りには引きつけられてしまいますよね。
さて、そんな焼き芋のおいしさの秘密は「デンプンの糖化」にあります。さつまいもにはアミラーゼという酵素が含まれており、加熱することでデンプンを糖に変える作用が活発になります。特に低温でじっくりと加熱することで酵素の働きが最大限に発揮され、独特の甘さとホクホクした食感が生まれるのです。
この調理方法は江戸時代から受け継がれ、現代に至るまで人々を魅了し続けています。電子レンジで加熱する方があまり甘くないのは、そのせいなんですね。
多くの健康効果も報告され、その代表的なものに食物繊維の豊富さがあります。焼き芋1本(約200グラム)には食物繊維が約5グラム含まれており、腸内環境を整えるのに役立ちます。また、ペクチンという水溶性食物繊維が血糖値の急上昇を防ぐ作用があり、2型糖尿病予防に役立つと報告されています。
さらに、免疫機能を高め、風邪の予防に効果的なビタミンCや体内のナトリウム排出を助けるカリウムなども豊富です。ビタミンCは加熱に強いですし、カリウムは加熱で水に溶け出しやすいものの焼き芋のように水を使わない調理法なら損失が少ないので調理法としては◎。
また、さつまいもは低GL食品で、血糖値が緩やかに上昇するのでインスリンの出方もゆっくり。体内時計をリセットしにくい夜向きの食材とも言われています。ただ、やはり糖質の多い夕食は睡眠の質にも影響するため、甘い焼き芋として食べるのであれば夕食の4~2時間前のおやつとして先に食べてしまうのがおすすめ。焼き芋200キロカロリー分を先に食べておくことで、夕食の血糖値を抑制できたという結果があるからです。
これからの寒い季節にぜひ取り入れたい伝統的なスーパーフードですね。
(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)
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