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子どものいびきを見逃すな(4)子どものアデノイドは切除してもまた大きくなる

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月11日 9時26分

子どものいびきを見逃すな(4)子どものアデノイドは切除してもまた大きくなる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大人の睡眠時無呼吸症候群の診断基準における「重症」の定義は「10秒以上の呼吸停止や呼吸低下が1時間に30回以上」。子どもは大人とは異なり、「呼吸停止や呼吸低下が1時間に10回以上」とされている。

 子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因の多くがアデノイド・口蓋扁桃肥大であるため、肥大の程度が高度で睡眠ポリグラフ検査や簡易検査で重症の睡眠時無呼吸と診断されれば、アデノイド切除術や口蓋扁桃摘出術の適応としている施設が多い。

「では、中等症ならどうか? 日本小児呼吸器学会が行った全国調査では、日本の多くの施設が手術を行っていました。ただ、手術は患者さんや家族への負担が大きいですし、3歳未満では行いづらい。アデノイドは完全に摘出できないので、低年齢で手術を行うと、術後にまた大きくなって再手術が必要となる場合もあります。僕が見たお子さんでは、再々手術となったケースもあります」(小児の睡眠障害を専門とする「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」の杉山剛院長=以下同)

 子どもの睡眠時無呼吸症候群ではしばしば、アデノイド・口蓋扁桃肥大にアレルギー性鼻炎を併存しているので、ステロイド点鼻薬などでアレルギー性鼻炎による鼻詰まりを解消する。アレルギー性鼻炎は、原因となる物質に反応して起こるので、例えば花粉が原因の場合、季節によって睡眠時無呼吸症候群がひどくなったり軽くなったりすることも。

「スギ花粉で春に悪化するというお子さんには、その時期だけステロイド点鼻薬を使うという手もあります」

 舌下免疫療法も有効だ。アレルギーの原因物質を含んだ錠剤を1日1回、舌の下に1分間保持した後、のみ込むことで体質を改善する治療法で、「効く子どもでは、半年ほどで効果が表れる」。つまりは、手術以外にもあの手この手で睡眠時無呼吸症候群に対策を講じ、手術対象でない子どもでは、自然とアデノイド・口蓋扁桃が小さくなるのを待つのだ。

 鼻に装着したマスクから空気を送り込むCPAP。大人の睡眠時無呼吸症候群では、治療の第1選択肢となるが--。

「保険適用基準が大人と子どもが同一のため、子どもでは超重症でないと保険適用となりません。子どもでも睡眠時無呼吸症候群のレベルによってはCPAPで睡眠時の呼吸が楽になるという報告もあり、私もそのような例を経験しているのですが、残念ながら現時点では、使えるケースはごく限られています」

 子どものいびきが気になったら、睡眠障害も診ている小児科か、睡眠専門クリニックへ相談を。(おわり)

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