若い女性の活動量が低下している…「妊娠糖尿病」に気をつけろ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月11日 9時26分
■妊娠前から運動を
実際、脂質の過剰摂取は肥満を生み糖尿病リスクを上げる。そのため、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、脂質から得られるエネルギーが1日に占めるエネルギーの割合の目標値を男女共20%以上30%未満としている。
ところが、2019年の国民健康・栄養調査によると、30%以上の20歳以上の女性の割合は44.4%と高率だ。
また、同調査の歩数状況によると、20歳以上の女性の1日平均の歩数は10年間で520歩減少しているうえ、出産が増える20~39歳は、40~59歳と比べて200歩近く少なかった。
「日本人は欧米人に比べてインスリン分泌量が20%少なく、わずかな体重増でも妊娠糖尿病になるリスクが高い。新型コロナの影響で在宅勤務に切り替えたり、買い物を宅配に変えて、歩かなくなった人は妊娠糖尿病を意識する必要があります」
それを回避するにはどうしたらいいのか?
「フィンランドのヘルシンキ大学の研究では、妊娠糖尿病の遺伝的リスクの高い人でも食事や運動などを変えることで糖尿病リスクを63%減少できたと報告しています」
研究では、看護師によるカウンセリングが行われ、食事はお皿の半分を野菜、4分の1をジャガイモ、米、パスタなどのでんぷん質の炭水化物、残り4分の1を肉、魚、卵、豆などのタンパク質で満たし、1日あたり1600~1800カロリーの摂取量を目標とした。運動は個別の運動プログラムが用意されたという。
また、米国の別の研究では、妊娠初期に1日30分以上の運動をする女性は妊娠糖尿病の発症リスクが半分未満だったと報告している。
さらに、米国の別の研究では妊娠前に適切な運動をしている女性は妊娠糖尿病のリスクが低くなったという。
「妊娠中の運動は、転倒などの恐れからためらいがちです。ならば妊娠前から運動して糖代謝を改善しておくと良いでしょう」
なお、妊娠前から糖尿病薬を服用している人は、妊娠中は血糖調整が不安定になるためインスリン療法に切り替える必要があるという。
「妊娠糖尿病と診断された母親は出産後に糖尿病を発症するケースが多い。治療が終わった後も糖尿病の定期検診を受診することが必要です」
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
糖尿病は「痩せたら治る」?→専門医「治りません」 誤解だらけの“体重と糖尿病”の関係
オトナンサー / 2024年10月3日 8時10分
-
「太ってないのに糖尿病」の人に足りない栄養素 「健康診断の数値」が正常でも安心できない
東洋経済オンライン / 2024年9月30日 15時0分
-
〈倍速老化の恐怖〉痛みがまったくないのに体の中は地獄絵図…急に老け込む人に見られがちな6つの病態、その真犯人とは
集英社オンライン / 2024年9月23日 10時0分
-
神戸大、妊婦健診で多くの妊娠糖尿病が見落とされている危険性を指摘
マイナビニュース / 2024年9月20日 20時52分
-
「糖尿病予備軍」ってつまり、どんな人のこと? 糖尿病歴30年の専門医が警告する「放置」の危険性
オトナンサー / 2024年9月18日 7時10分
ランキング
-
1【熱中症】実は“秋”も要注意 “意外な落とし穴” 内科医が指摘するワケ
オトナンサー / 2024年10月11日 7時10分
-
2【賛否】食器洗い用スポンジで「シンクを洗う」アリorナシ? SNSで“拒否反応”相次ぐも「分ける必要性を感じない」人も
オトナンサー / 2024年10月9日 22時10分
-
3国民年金保険料の支払いが480回のうちの1カ月支払いが未納だと、満額支払いに対してどれくらい少なくなる?
オールアバウト / 2024年10月10日 18時30分
-
440代で気づいた「実は持っていなくても問題なかったモノ」3つ。掃除もしやすくなった
日刊SPA! / 2024年10月11日 8時53分
-
5「娘を注意した教官に二度と会わせないで」“度を超えた要求”する自動車教習所のカスハラ客たち
日刊SPA! / 2024年10月11日 8時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください