錦織圭の復活と「脱亜入欧」からの脱却…《中国には大会を開きたい都市が100はある》
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月12日 9時26分
錦織圭(C)共同通信社
【スポーツ時々放談】
国内ファンの前で6年ぶりのプレー。「木下グループジャパンオープンテニス(以下=木下JO)」の錦織圭は面白かった。
1回戦で因縁のライバル、マリン・チリッチを下し、準々決勝で世界14位のホルガー・ルネ(21)をマッチポイントまで追い込んだ。ナダルも舌を巻いた切り返しからのウイナー、見て面白い錦織テニスにスタンドは大いに沸き、試合後の会見でこんな発言があった。
「トップ10にかなわないとは、正直、心の中ではあんまり思っていなくて……」
大会前、トップ100に戻ることはできてもトップ10にはかなわないと話していたのだ。嘘をつかない男。「かなわない」と思っていたが、木下JOの3試合で変わった。「トップ10にも勝てるが、トップ10に戻るのはまだ難しい」と解釈しようーー肉体表現者の言葉はかように変化していく。
ランキングは200位から153位に上昇したが、来季の全豪本戦入りに向け110位前後まで上げたいところ。ルネ戦のマッチポイントを取っていたら到達し、優勝の可能性さえ見えていた……強気の言葉は口惜しさ、手応え。故障者ランキングの特典期間は過ぎ、秋の欧州遠征は主催者推薦か予選からになる。暮れには35歳だから体力的に難しい判断だが、こんな先行きもあるのではないか。
木下JOは水曜開始・火曜決勝の変則日程だった。
全米オープン後のカレンダーはーーデ杯(9月10~15日)→成都250(18~24日)、杭州250(同)→レーバー杯(20~22日)→木下JO500(25日~10月1日)、北京500(26日~10月2日)→上海1000(2~13日)。
来日したATPツアーのアリソン・リー副会長は、上海のドローを128に増枠した影響などを、変則日程の理由に挙げた。要は、条件にかなう会場があり選手も育ってきた中国を軸にした日程になっているからだ。「中国には大会を開きたい都市が100はある」とも話していた。
テニスの海外遠征はこれまで欧米に偏った“脱亜入欧”が常識だった。時代が変わりマーケットが変わり、スポーツはアジア、アラブへ拡大している。舞台を見直す時期だろう。
中国にも豪州にもツアー大会が5大会あり、下部大会しかない韓国でもテニス人気は上昇中という。
アジア域内での切磋琢磨、“脱欧”への舵切りができるのは、中国でも人気の錦織だけーーあれこれ期待を抱かせるあたり、さすがエースの復活だ。
(武田薫/スポーツライター)
外部リンク
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1大谷翔平の走塁ミスをロバーツ監督が非難 異例の苦言に米メディア騒然
東スポWEB / 2024年10月19日 10時45分
-
2最下位の鳥栖、J2降格が決定 2012年に昇格後初めて…監督交代、主力移籍“草刈り場”の苦境1年
FOOTBALL ZONE / 2024年10月19日 17時4分
-
3G党歓喜!「永久保存版」「涙出た」「鳥肌たった」 35歳・坂本のヘッスラ2連発に大興奮
スポニチアネックス / 2024年10月19日 21時36分
-
4ゴールまであと10mで悲劇「見ていて辛く」「涙が出てしまい…」X悲痛 箱根駅伝予選会、東海大は落選
THE ANSWER / 2024年10月19日 18時40分
-
5大谷にNY紙は“完敗宣言”「歯が立たない」 敏腕記者脱帽…歴史上で見当たらない才能
Full-Count / 2024年10月19日 15時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください