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10月の薄暮に急増…交通事故に注意したい「目」の病気

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月12日 9時26分

■病気によって暗順応が遅延

 通常は7分程度だが、目の病気によってはさらに長い時間がかかったり、あるいは時間がたっても見えてこない。

「例えば網膜色素変性症です。網膜に異常をきたす、遺伝性、進行性の病気で、主に桿体細胞が障害されることが多い。そのため、暗いところでは、目が見えなくなったり(夜盲症)、視野が狭くなったり、視力が著しく低下したりします」

 緑内障は40代の20人に1人が発症する中途失明第1位の怖い病気で、主症状として視野狭窄が有名。この疾患では、暗順応の遅延も知られている。

「加齢黄斑変性症は、黄斑部と呼ばれる網膜の中心にある、最も光の感度の良い部分に変性が起きて、視界のゆがみや視力低下などの視力障害が起きる病気ですが、これでも暗所視障害があることが知られています」

 国民病である糖尿病の3大合併症のひとつである糖尿病網膜症も「暗所視障害」が起こるという。

「糖尿病網膜症では網膜の血流が減少し、酸素供給が不足することで、視細胞、とくに桿体細胞に影響を与えやすいのです。実際、いくつかの研究では糖尿病患者の暗順応時間の延長や暗所での視覚感度の低下が報告されており、初期からそのリスクがあるとの研究があります」

 目の病気以外にもアルツハイマー病やがんでも暗所視障害が起きる場合もあるという。

 ある研究では風景と人物のコントラストが高い場合は明るいときの視力が1.1ならば薄暮で0.9と大きな差はないが、コントラストが低いとそれぞれ0.7と0.3と極端に見えづらくなることが報告されている。

 歩行者や自転車に乗っている人は、これからの時季はドライバーから見えづらいことを意識して運転手の目を引くような色の衣服やかばんを持つようにしたい。プルキンエ現象といい、薄暗いところでは青に近い色が明るく見え、赤に近い色が暗く見えることが知られている。また歩行者は運転者に自分を見えやすくする反射材やライトを積極的に使うべきだ。

 しかし、何よりも運転者に大切なのは「近頃、暗いところが見えにくい」と感じたらすぐに眼科で診察を受けることだ。

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