裏金議員の非公認は「差別」に当たるのか?《影の総理》自民・森山幹事長の仰天発言が大荒れ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月15日 12時48分
「影の総理」気取り?(C)日刊ゲンダイ
裏金議員に対する批判や総選挙で非公認とする扱いは「差別」に当たるのか。
自民党の森山裕幹事長(79)が14日に党本部で行われた報道各社のインタビューで、裏金議員が選挙で勝利した場合の役職登用について問われ、こう答えていた。
「選挙を経るということは国民の信任を受けたということ。ここであまり差別が続いてはいけないと思う。(石破茂)総理が言われた通りの人事をやっていくということだと思う」
長期間に渡って組織的、常習的に違法、脱法の裏金作りに励んできた悪辣前議員は誰一人としていまだに何の動きもなく、罪も償っていない。これでは厳しい声が出るのは当たり前で、この動きが「差別」に当たるとは考えにくい。
「差別」に対する森山氏の人権意識がそれほど高いのであれば、その考えを向けるべき相手は同僚議員だった自民党の杉田水脈・前衆院議員(57)だろう。アイヌと在日コリアンを侮辱した投稿で、2023年に札幌、大阪両法務局から人権侵犯と認定されたほか、SNSで差別的な投稿を繰り返し、識者らが国会内で開いた会見では「(杉田氏は)人権侵害の常習犯。議員になる資格はない」と断罪されていた。
■人権侵犯を認定された杉田水脈氏より裏金議員を糾弾する行為が深刻?
森山氏にとって、公的機関から人権侵犯を認定された杉田氏よりも、裏金議員を糾弾する行為の方が深刻な問題と受け止めているのか。
2017年から歴代最長となる4年の国会対策委員長を務め、菅政権下では「(当時の)二階幹事長に継ぐ実力者」と言われた森山氏。裏金議員の全員公認を言い出し、石破茂首相(67=党総裁)が当初描いていた、衆参両院で予算委員会を開いてから解散、総選挙--というシナリオを蹴飛ばし、早期解散を強く進言したのも森山氏だったと言われる。
政治部記者の間では「温和な表情で本音をなかなか見せないが、かなりのクセ者」といった声がもっぱらだ。SNS上でもこんな声が出ている。
《仮に当選できたからと言って裏金議員の問題が終わったわけじゃない。説明も納税もしていないのに役職云々ではない》
《裏金議員の扱いを厳しく求めることは差別?しているのか。いけないのは国民なのか?》
《メディアで「森山内閣」と書かれていたが、二階氏が引退した今、影の総理・森山幹事長は「次は俺の時代」と思っているのかも》
裏金問題は、総選挙後も終わらないことは間違いないのだ。
◇ ◇ ◇
衆院選が15日公示され、裏金前議員の扱いが注目される。●関連記事【もっと読む】《衆院選公示、自民裏金前議員の当落めぐり改めて問われる有権者の責任と民度》【さらに読む】《裏金議員ら《非公認=二重処罰》主張の呆れたご都合主義…改憲主張から一転「憲法を守れ」の身勝手》などを取り上げている。
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