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今平周吾の日本オープン優勝で「パッティングの極意」とは何かを考えた(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月16日 9時26分

今平周吾の日本オープン優勝で「パッティングの極意」とは何かを考えた(羽川豊)

今平周吾(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 今年の日本オープンは見応えがありました。最終日の18番。今平周吾のロングパットは約20メートル。カップの手前には小さなコブがあるスライスラインでした。ギャラリーもテレビを見ているファンも、今平が打つ前、このパットが「入る」と思った人はおそらくいないでしょう。

 終わってみれば、この超ロングパットがカップに消えて勝負が決まったわけですが、注目すべきはそこまでの過程です。

 今大会のラフは15センチ以上。長いところは25センチもあり、18番パー4(464ヤード)も曲げればグリーンに乗せることはできずボギーの可能性は高い。目の前にはゴルファーが是が非でも欲しいビッグタイトルがぶら下がっている。第2打の直前には、1打ビハインドの木下稜介が17番パー3(220ヤード)で、バンカーからのチップインバーディーで追いつかれたこともわかった。

 今平の緊張感は想像に難くありませんでした。この状況で今平は、フェアウエー、グリーンと首尾よく運べたことで過度の重圧を受けず、イメージ通りのパッティングができたのです。

 パッティングはショット以上にメンタルの影響を受けます。

 前日はラインが見えて、タッチもバッチリ。おもしろいようにカップインしても、スコアを気にしたり、優勝を争えば上半身の筋肉がスムーズに動かなくなることも珍しいことではありません。しかも、傾斜や硬さ、速さといったグリーンコンディションは大会ごとに変わり、天候によっては日替わりの時もある。それが分かっているから、プロはどんな時でもイメージ通りのストロークでカップインできるように毎日練習するし、専門家の指導の下、メンタルトレーニングで心を鍛えている者もいます。

 それでも人間です。勝ちたいという「欲」や負けへの「恐れ」、ライン読みの「迷い」などがヘッドの動きを数センチ、数ミリ狂わせる。20メートルという長い距離ではあったものの、18番グリーン上の今平にはパッティングを邪魔する心の「魔物」は現れず、狙った「点」に向かってスムーズにヘッドが動いた。ラインに乗ったボールが途中で入る気がしたのは、私だけではないでしょう。

 今平とは対照的だったのが、米女子ツアー「ビュイックLPGA上海」の西郷真央です。最終日は首位からスタートしたものの、取りこぼしが多く、勝ったイン・ルオニンを楽にした。前半に1つ2つバーディーパットが入っていれば、後半は競り合いに持ち込めたはずです。

 昔からプロの世界でも「1メートルが確実に入るパターなら100万円でも買う」なんていわれていますが、トッププロにとってもパッティング向上は永遠のテーマなのです。

(羽川豊/プロゴルファー)

  ◇  ◇  ◇

 ファンを沸かす大会もあるとはいえ、国内男子ツアーの人気低迷ぶりは悲惨の一言に尽きる。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、ファン離れが加速している。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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