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《工藤公康の巻》人気トレーニング施設を「あれは嫌いだな」と言ったワケ【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月17日 17時0分

《工藤公康の巻》人気トレーニング施設を「あれは嫌いだな」と言ったワケ【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

工藤公康元監督(C)日刊ゲンダイ

工藤公康

【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】#19

 工藤公康元監督

  ◇  ◇  ◇

 元監督の工藤公康さん(61)とは、工藤さんがダイエーで現役だった頃からの付き合いです。

 当時、打撃投手だった僕はウマが合うのか「一郎、一郎」と可愛がってもらいました。工藤さんが下の名前で他人を呼ぶことは珍しいようで、年下の広報に「田尻さん、工藤さんに一郎って呼ばれてるんですか?」と驚かれたこともある(笑)。

 東京遠征で翌日の試合がナイターの時は「明日、朝9時半、ホテルのフロント集合ね」と言われ、僕が「何かあるんですか?」と聞くと、工藤さんはひと言、「パチンコ」(笑)。

 ひとしきりパチンコを打つと、今度は「ステーキ食いに行くぞ。他にも誰か呼ぼうよ」となり、若手投手を呼んで水道橋から六本木まで行ったのも、楽しい思い出です。

 そうした遊びもよくしましたが、工藤さんは野球においては自分にも他人にも厳しい人です。監督就任1年目の2015年の優勝は、前任の秋山幸二さんが育てた選手たちの活躍が大きかったのは事実です。でも、その年のオフは「投手陣の練習が足りない」と、自ら練習メニュー作成に案を出し、投手陣を徹底的に鍛え上げた。当時の秋季キャンプは投手が早めに上がり、野手が最後まで練習をしていましたが、工藤さんの改革後は逆転したほどです。

 工藤さんの凄いところは、常に最新の知識、技術を自ら体験し、学んでいることです。現役選手に人気のトレーニング施設についても、工藤さんは「俺はあれ嫌いだな。だって、あの施設って結局、上半身の力がメインでしょ? 日本人はもっと下半身を使わないとダメなんだよ」と話していました。そう言えるのも、自腹を切って、その施設のメニューを体験しているから。知らないのに風評だけで判断することはしない人です。

 工藤さんが現役時代、筑波大のトレーニングになぜか僕も参加させられたこともあります。足をゆっくり動かしてインナーマッスルを鍛えるもの。戸惑う僕に、工藤さんはこう言いました。

「もしかしたら、これは5、6年後には球界で主流になってるかもよ? 逆に『なんであんなトレーニングをしてたの?』って言われるかもしれない。でも、これは筑波大の最先端の研究。俺はバカにされてもいいから、とにかくその時の最先端を学びたいんだ」

 それでも自分本位ではなく、周囲を見て、僕ら裏方への贈り物なども欠かしたことはありません。それも会社には請求せず、全部自腹だったんです。

(田尻一郎/元ソフトバンクホークス広報)

  ◇  ◇  ◇

 次回は現在四軍監督、●《斉藤和巳の巻》…。

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