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MLBやトランプびいきのFOXまで「頑張れ大谷!」 米国人の敵愾心はハンパなくても背に腹は代えられず

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月18日 6時13分

MLBやトランプびいきのFOXまで「頑張れ大谷!」 米国人の敵愾心はハンパなくても背に腹は代えられず

大谷翔平(C)ロイター

 その瞬間、テレビ中継を見ていた米FOXスポーツの幹部は小躍りしたという。

 日本時間17日、メッツ‐ドジャースのリーグ優勝決定シリーズ第3戦でのことだ。ドジャースの4点リードで迎えた八回表1死一、二塁。大谷翔平(30)の放った打球は高々と舞い上がって飛距離十分、ファウルになるか微妙だったが、右翼ポールを巻いたことがわかった瞬間、冒頭の幹部は欣喜雀躍だったというのだ。

 FOXスポーツはMLBと2022~28年まで7年51億ドル(約7650億円)で契約を延長。ワールドシリーズ、2つあるリーグ優勝決定シリーズのひとつ、4つある地区シリーズの2つと、球宴で独占的な放映権をもっているといわれる。同局幹部が大谷の本塁打を手放しで喜んだ裏には理由がある。

「FOXは大谷に特化した中継にシフトしていますからね」と特派員のひとりがこう続ける。

「ポストシーズンに入ると、テレビ画面に“大谷の打席まであと何人”とカウントダウンを入れたほど。例えば同僚が本塁打を打ったときのリプレー映像では、必ずといっていいほど本塁打になった瞬間の大谷の歓喜の表情が大写しになる。つまり大谷だけを追っているテレビカメラがあるからですよ」

 トランプびいきで知られるFOXが、大谷を強調した中継をしているのは一にも二にも視聴率が取れるから。大谷が2安打1打点で勝利に貢献したドジャース‐メッツのリーグ優勝決定シリーズ第1戦は、2009年以降の同シリーズで最も視聴率の高い試合だったという。つまり大谷は米国で大きな商売になっているのだ。

 米紙コラムニストのビリー・デービス氏はこう言った。

「大谷はプロスポーツ界で最も稼ぐ選手になっても、普段は短パンとTシャツ姿。見どころの多いニューヨークに来ても外出はしません。ギンギラギンのネックレスをしたり、派手な格好で出歩くスター選手が多い中、高給取りになってもこれまでと変わらずに、ストイックな姿勢を貫いています。そんな大谷をメディアやMLBは利用しているのです。今季メジャーのレギュラーシーズンの観客動員数は対前年比0.85%増の約7135万人。7100万人を突破したのは2017年以来になる。観客が増えたのはドジャースが全29球団と対戦、大谷が24球場でプレーしたことも大きい。MLBにとって客を呼べる大谷はドル箱なのです」

 このデービス氏によれば、「米国の国技とも言うべきメジャーで、アジア人の大谷が投打の二刀流ばかりか、本塁打と盗塁で前人未踏の記録を打ち立てたことへの米国人の嫉妬や僻みはハンパじゃありません。心の中では冗談じゃない、いい気になるなよと、敵愾心を燃やしている」そうだが、背に腹は代えられないということか。

 昨17日のリーグ優勝決定シリーズ第3戦は大谷のダメ押し3ランなどでドジャースが快勝、2勝1敗とメッツをリードした。

  ◇  ◇  ◇

 メジャーで活躍する大谷とダルビッシュの両天才には、「生き方」「考え方」において決定的に異なる点がある。いったいどこがどう違うのか。2人を奮い立たせるそれぞれの「原動力」とは。

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