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杉咲花は「光と影の女優」だ どちらにも繊細な陰影を付けて演じ分ける(高倉文紀/美少女・女優評論家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月18日 9時26分

杉咲花は「光と影の女優」だ どちらにも繊細な陰影を付けて演じ分ける(高倉文紀/美少女・女優評論家)

杉咲花(C)日刊ゲンダイ

【2024秋ドラマ 注目美女の素顔と実力】#9

 杉咲花
 「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)

  ◇  ◇  ◇

 今秋の日曜劇場は、10月20日スタートの神木隆之介主演「海に眠るダイヤモンド」(TBS系/毎週日曜21時~)が放送される。通称・軍艦島として知られている長崎県・端島を舞台に過去と現代の2パートで構成されたこのドラマでは、ヒロインを杉咲花が演じる。若手女優ではほかに池田エライザ、土屋太鳳、安斉星来、朝ドラ「虎に翼」でも注目を集めた片岡凜も出演する。

 杉咲が演じる朝子は、端島にある実家の「銀座食堂」で働く看板娘。明るくけなげな、しっかりもので、幼なじみでもある主人公に思いを寄せているが、気持ちを伝えることができない。ドラマ史に残る看板娘が生まれることを期待したい。

 1997年10月2日生まれ、東京都出身。子役出身で、2016年公開の映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で宮沢りえの娘役を演じ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いた(新人俳優賞とダブル受賞という快挙)。2020年にはNHK連続テレビ小説「おちょやん」でヒロインを演じた。

「真珠の耳飾りの少女」などを描いた画家のフェルメールは「光の魔術師」と呼ばれているが、杉咲花も演じる人物が秘める光と影の部分を繊細な陰影を付けて演じ分けるのがうまく、「光と影の女優」と呼びたい。

 彼女は、登場人物の「光と影」をさまざまな作品で演じてきた。最近の主演ドラマでは2021年の「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)、2024年4月期の「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)での好演も印象的だったが、2022年のNHKドラマ「プリズム」では、テラリウム(ガラス容器の中に植物や生物を配置して作る作品)を作る園芸店アルバイトを演じ、叙情的な演技を見せた。

 どの主人公も明るいキャラクターで、そこに繊細なタッチで陰影を付けられるのが、杉咲花の演技の特長だ。だから、彼女は、テレビドラマと映画の両方と相性が良く、親しみやすさの中にある深さが、心の奥で響く。

 今回の「海に眠るダイヤモンド」の朝子も、単に明るく元気なだけの人物ではないと予想される。

 彼女が10代のころに何度かインタビュー取材したが、素顔の杉咲花は温和で、マイペースで、映画「愛を積むひと」の撮影で行った北海道の思い出を話していたとき、急に思い出して「あっ、私はしろくまが好きなので、開いた時間に旭山動物園に行きました。かわいかったです」(雑誌「girls!」vol.43)と笑顔で話してくれて、無邪気な一面を感じた。

 杉咲花を秋のメニューにたとえるなら、栗ごはん(和栗)。噛みしめると多彩な味わいを見せて、あったかな気持ちにさせる。そして、本物の味がする。

(高倉文紀/美少女・女優評論家)

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