子育てが大変…飛行機代を出して愛媛の母に来てもらったことも【武内陶子「今があるのは…」】

武内陶子さん（Ｃ）日刊ゲンダイ

【武内陶子「今があるのは…」】#7

　お昼の人気番組「スタジオパークからこんにちは」は2007年から。6月の改編期とはズレた時期から担当することになった。

　同期の有働ちゃん（有働由美子）が6月にニューヨークへ異動することになり、突然言われたんです。その時私は「お元気ですか日本列島」を担当していたのですが、「来週からスタジオパークやってね」と言われて本当にびっくり。人事異動とはいえ、ダイナミックな出来事でした。

　急だったので、心の準備も引き継ぎも満足にできない状況でしたが、こんなこともあるんだなあと内心面白がっている自分もいました。でも、視聴者の方はもっとびっくりですよね。突然、番組から有働がいなくなるんですから。

　なので、私はよくよく考えて、初回生放送の冒頭「みなさん！　有働は辞めたわけではありません！　嫁に行ったわけでもありません！　ニューヨークに行きました！　有働に代わって今日から私が司会を務めます」と叫んだ記憶があります。この頃、有働はよく独身ネタで笑いをとっていましたので、「有働いいよね？　同期だからこんなふうに報告しとくね！」と思いながら（笑）。

　またも月曜から金曜の帯の生放送で休めない日々。子供は当時3歳で保育園に預けてから向かうのですが、発熱していたりすると預かってくれません。その場合は病児保育にお願いするのですが、なにせ定員が少ない。

　預けられない時は心底困り、愛媛の実家に電話して「飛行機代、出すから今から飛行機に乗って！？　お願い！」と拝み倒して母に来てもらうことも度々ありました。母は「わかった！」とすぐ飛んできてくれ、本当にありがたかった。お世話になった保育園にも感謝しかありません。

　そんな、仕事と子育ての綱渡りな日々で私が編み出した仕事法が「武内式準備法」。毎日、本番後に翌日の打ち合わせをするのですが、それが終わった後からが本当の私の仕事。帰ってから準備をするのですが、子供にご飯を食べさせ、一緒に遊んで夜の10時にやっと寝てくれてから調べ物や資料整理を始めると、気づくと朝になっている。テレビに出るのに目の下にはクマ、頭は回らない、で最悪（笑）。

　これではダメだと思い、ルーティンをガラッと変えました。夜は子供と同時にとりあえず寝る！　そして早朝4時に起きて7時まで仕事をするようにしてみたら、これが効率がよくて。早朝の脳はフレッシュらしく、アイデアがどんどんひらめくんです。夜中に長く仕事せず、さっと寝て早朝から集中してやる。これは私のオススメです。

　でも、双子が生まれて子供が3人になったら、早朝に仕事をしていると誰かが起きてくるんですよね。「ママ、トイレ」とか「喉が渇いた」とか言って。双子は同時にお腹がすいて泣いたり。せっかく編み出した武内式がまったく通じなくなりました。それからはまた寝かせたあとに仕事をするルーティンに戻しました（笑）。

　仕事も子育ても工夫が必要なんだと思います。ちなみに今も、お弁当作りで朝5時半に起きてます。

（武内陶子／フリーアナウンサー　構成=松野大介）