指導経験なしの藤川の就任、1年で解任された今江…教え子がいる阪神と楽天の監督交代劇にモノ申す(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月21日 9時26分
楽天の今江敏晃監督(C)日刊ゲンダイ
【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#210
阪神の監督に「松坂世代」の藤川球児(44)が就任した。
藤川は高知商2年の時、1997年夏に甲子園に出場している。私が部長だった横浜が、松坂大輔を擁し、甲子園春夏連覇を達成したのは、松坂が3年だった98年。1年ずれているため、藤川の高校時代を見ていない。ただ、「高知商にすごい剛速球投手がいる」と噂では聞いていた。
松坂は西武、藤川は阪神にともに1位で指名された。藤川は阪神で抑え投手としてスター選手になって監督に就任。だが、就任会見の話を聞いても、どうもビジョンが見えてこない。指導者経験なしの監督は心もとない。阪神は金本知憲監督の失敗から学んでいないのか。
ファン目線では「野球をよく知っている」と評判の平田勝男ヘッドコーチに一度任せて欲しかった。実際、前回は監督候補に挙がっていたそうだが、採用されることなく、岡田彰布監督が再登板した。
米国には選手時代のメジャー実績が乏しくても、指導者としては有能な監督が多くいる。日本球界も、元スター選手よりチームを勝たせられる人がなるべきである。
ひどいのは楽天だ。まだ若い今江敏晃監督(41)が2年契約の1年目に解任された。交流戦を制し、シーズンは4位。この戦力なら上出来ではないか。
新聞報道によれば、楽天が2005年に球界に参入して20年、わずか1年の短期政権で終わったのは、初代の田尾安志氏に始まり、大久保博元氏……今江監督で6人目というから驚きだ。こんなことでは受ける人がいなくなる。阪神にも楽天にも教え子がいるだけに、実に不安である。
ここからは、最近教えた野球の話をしよう。
甲子園では細かいプレーの質が勝敗を分けることが多い。情報のない初めて見る投手と対戦する際には、「走者一塁」で行う「片側リード」が効果的だ。
チームで最初に走者が出塁した時、初球にこのリードを取る。通常はだいたい3.5メートル。これを4メートルほどに広げる。横浜スタジアムなら、土のアンツーカーの部分から両足が出るくらい。かなり大きめである。「片側」とは走者が帰塁することだけを意識するリード。相手投手に素早い牽制球を投げさせることが目的だ。
投手は「刺せる」と思い、牽制したくなる。これを一塁走者、打者、ベンチにいる全員で「観察」し、タイミングを計り、クセを見つける。これが終盤の勝負どころで生きてくる。
大きなリードを見ても、牽制してこなければ、片側リードと察知されているか、牽制に自信がないか。自信がない投手なら、盗塁やヒットエンドランをどんどん仕掛けられると分かるのだ。
(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)
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