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帯状疱疹について知っておきたいこと(上)ワクチンを絶対に打とうと思うワケ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月22日 9時26分

帯状疱疹について知っておきたいこと(上)ワクチンを絶対に打とうと思うワケ

近年は20~40代の発症も増えている

 医療・健康モノを取材し続けて26年の記者が、50歳を迎える誕生日当日に接種予約を入れたワクチンがある。「帯状疱疹ワクチン」だ。これまでさまざまな医者や患者に取材してきた中で「自分は絶対にやろう」と強く思ったものの一つが、帯状疱疹ワクチンなのだ。

■虫刺されだと思っていたら、数日後…

 帯状疱疹は、顔や頭を含める体の左右どちらかに痛みを伴う赤い発疹と水膨れが生じる病気だ。世界最大規模で現在も継続中の帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ」実施者の中心メンバー、外山皮膚科(宮崎県)の外山望院長によれば、加齢に伴いリスクが上昇。50歳を越えると急激に発症リスクが高くなり、患者の約7割を50歳以上が占めるという。

「しかし近年、20~40歳代で帯状疱疹を発症する人が増えている。考えられる理由が、子供の水痘ワクチン接種です」(外山院長=以下同)

 帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ウイルスが原因で発症する。一般的に子供の頃にウイルスに感染し、水ぼうそうを発症。水ぼうそうは通常5~7日で治癒するものの、ウイルスはいなくなるわけではなく、神経節に潜伏する。

「水ぼうそうを一度発症していると、私たちは水痘・帯状疱疹ウイルスへの免疫を獲得しています。この免疫は時間の経過とともに弱まりますが、子育て年代で水ぼうそうを発症した子供たちと触れ合い、再び同じウイルスと触れることで免疫がまた強くなります。だから、神経節にウイルスが潜伏しているとはいえ、50歳を越えるくらいまではウイルスの休眠状態を保てていたのです」

 ところが2014年から1~3歳の子供の水痘ワクチンが定期接種化し、水ぼうそうを発症する子供が激減。それによって再びウイルスに触れる機会が激減し、免疫がまた強くなる“ブースター効果”を得る機会も激減した。つまり、ウイルスの休眠状態を50歳まで保ちにくくなった。

「これまでは帯状疱疹を発症するリスクが低かった世代でも、疲労、ストレス、病気など免疫力が低下すると帯状疱疹を発症するようになった」

 帯状疱疹はつらい病気だ。50代の女性は「単なる虫刺されだと思っていたら、数日後に額から頭頂部にかけてわーっと針で刺されるような激痛に襲われた」と話す。帯状疱疹がきっかけで顔面神経まひに至る人もいる。ちなみに顔面神経まひは、カナダ出身の人気歌手、ジャスティン・ビーバーがその症状を「こっちの目はまばたきできないし、顔のこっち側では笑えない」とSNSで訴えている。

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