ピーコさんは人柄でマイノリティーへの偏見を覆した 芸能リポーターや識者が相次ぎ追悼
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月22日 16時3分
ピーコさん(C)日刊ゲンダイ
ファッション評論家のピーコさんが、敗血症による多臓器不全で先月3日に逝去していたことが20日に明らかになった。享年79。
双子の弟おすぎ(79)と1975年に「おすぎとピーコ」としてデビュー。自らを“オカマ”と表現し、オネエ系タレントの先駆けとしてワイドショーやバラエティー番組で活躍した。中でも「ピーコのファッションチェック」はテレビ局をまたいで続く、異例の長寿コーナーに。「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)の中居正広演じるパロディーコント「ヒーコのファッションチェック」など、ものまねのネタ元としても人気だった。
また89年にがんで左目を義眼にしてから黄色の眼鏡がトレードマークに。90年代に「スーパーワイド」(TBS系)で共演していた芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「いつも声をかけてくださる気さくな方で、スタッフにも分け隔てなく接し、現場はいつも和やか。ピーコさんの怒っている姿は見たことがありませんでした。オネエを貫き、辛口コメントが小気味いいのですが、『アンタ顔色悪いわよ』と言ったら『気をつけなさいよ』と心配するように、必ず最後にフォローを欠かさない。だからコーナーも長続きするし、レギュラー番組も数多かった。愛情あふれる方でした」
大阪・毎日放送の「ちちんぷいぷい」には15年間出演し、関西でも愛された。元毎日放送プロデューサーで同志社女子大学教授の影山貴彦氏がこう言う。
「局のエレベーターでお会いした際、テレビで拝見したときと裏表なく、好感度の高い理由がわかりました。毒舌の裏にやさしさや可愛げ、笑いがあるから長年ピーコさんを支持していた。逆に、ズケズケものを言うだけでは関西では人気を得られない。そういうキャラクターがマツコ・デラックスさんたちにも受け継がれているのだと思います」
2022年のテレビ出演以降、表舞台から退いたものの、21年には認知症を発症したおすぎと同居、22年にはおすぎの症状悪化で同居を解消、23年にピーコさんが高齢者施設に入っていたことなどが報じられていた。
「常に話題になるのはメディアの人がピーコさんを慕っていた表れです」(前出の川内氏)
その人柄でマイノリティーに対する偏見を覆し、皆に愛された生涯だった。
◇ ◇ ◇
ピーコさんの死を、弟・おすぎは認識できていないとの報道がなされている。●関連記事【もっと読む】「おすぎとピーコ」の騒動は他人事じゃない…芸能人を脅かす“老後問題”の深刻…では、認知症を患っているおすぎを含め、芸能人の老後問題について伝えている。
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