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東海大相模・藤田琉生 打者をヘッドアップさせるリリースポイントの「あり得ない高さ」(安倍昌彦/流しのブルペン捕手)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月23日 9時26分

東海大相模・藤田琉生 打者をヘッドアップさせるリリースポイントの「あり得ない高さ」(安倍昌彦/流しのブルペン捕手)

東海大相模の藤田琉生(C)日刊ゲンダイ

【2024年ドラフト注目投手「生採点」】#2

 藤田琉生(東海大相模/投手・左投左打・198センチ・95キロ)

  ◇  ◇  ◇

 身長2メートル近い「超」の付く大型左腕が東海大相模に進んだことは、入学時から「業界」では結構知られていた。湘南クラブという名門中学軟式チームの頃から、大器と評判だった。

 大型は時間をかけて育てる……それは業界の常識である。3年生の春ぐらいかな……と開花の時期を楽しみにしていたら、2年生・秋の県大会・横浜高戦に登板してきて驚いた。

 見るからに未完成だった。成長途上の長身左腕だけにフォームもアンバランスで制球に苦しんだ。聞けば、左ヒジ疲労骨折からの病み上がり。無理もなかった。

 藤田投手が良くなっていて驚いたのが、この春。県大会で同じ横浜高を1点に抑えて完投。自ら3ランまで放り込んでみせた。

 そして、この夏。素晴らしく良くなっていた。

 独特の2段モーションが身に付いて、左足一本でまっすぐ立てていた。

 全身を躍らせるようにして、高いリリースポイントから投げ下ろし、いかにも気分よさそうに、自信の表情で強豪校の強力打線相手にも臆せず向かっていく。

 捕手のすぐ後ろから見ると、リリースポイントがあり得ない高さ。構えた打者を打つ前からヘッドアップさせているのだから、すでにもう半分勝っているようなものだ。

 速球は、ホップ成分抜群のすばらしいバックスピン。低く、低く……の意識がいい。あの角度で低めを突かれたら、打者は高さがわからない。

 カーブがえげつない。

 一度ホップしてから、ものすごい角度で地面に突き刺さってくるような強さとスピードを併せ持つパワーカーブで、空振りを奪って三振の山を築いてきた。

 日本のプロ野球界で大成した前例がない超大型左腕。ただし、投げるだけじゃない。牽制ができて、クイックもまあまあ、バント処理のフィールディングなんて内野手のよう。「サイドメニュー」も、ちゃんと兼備しているという意味でも前例がない。

 育成のノウハウがないのは、どの球団もいっしょ。オレが面倒見るから、あのでっかいサウスポー、取ってきてくれ! そんな気概のある指導者のいる球団とご縁が結ばれることを、切に願ってやまない。

(安倍昌彦/スポーツライター)

  ◇  ◇  ◇

 前回は関大のドラ1候補の左腕・金丸夢斗をピックアップ。安倍昌彦氏による「ガチ評価」とは。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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