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「批判」と「誹謗中傷」を一緒くた…J1町田の刑事告訴に見える藤田晋オーナーの「雀士」の顔

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月24日 9時26分

「批判」と「誹謗中傷」を一緒くた…J1町田の刑事告訴に見える藤田晋オーナーの「雀士」の顔

藤田晋オーナー(左)と黒田剛監督(C)共同通信社

 サッカーJ1のFC町田ゼルビアが、ネットの「誹謗中傷」に刑事告訴をしたことを先日発表した。チームに対する誹謗中傷には徹底的な措置をとると、親会社であるサイバーエージェントと同クラブのトップを兼務する藤田晋社長はプレスリリースでコメントを述べた。

 しかし、この発表に違和感を抱いたJリーグファン・サポーターは少なくなかった。サッカーと関係がない選手やスタッフなどに対する誹謗中傷はともかく、あたかも同クラブのサッカーに対する批判はすなわち誹謗中傷だといわんばかりだったからだ。

 あるJリーグ関係者は指摘する。

「あえてどちらとも取れるようにしてあるんでしょうね。正直、FC町田ゼルビアのサッカーに対する批判は多い。最近では他チームのサポーターからヒールのように扱われている。それを黙らせたいという意図もあったのでしょう」

 では、なぜFC町田ゼルビアに対する批判が、ここまで多くなったのか。

「勝利から全て逆算して考えるようなFC町田ゼルビアのサッカーは、人によっては不満でしょう。フィジカル優先で、パスワークは重視せず、フェアプレーとは言い難いこともやる。ラフプレーも多い。あのサッカーが嫌いだという人が出てくるのはわかります。個人的には、あの戦術にはむしろ勉強させてもらっていますが」

■「理想」は邪魔

 サッカーメディア関係者はそう指摘すると、こうも付け加えた。

「藤田社長は若い頃、麻雀をはじめとするギャンブラーでならした人です。ギャンブラーには、『理想』など勝負の邪魔。今、Jリーグの強豪チームは海外に次々と人材を引き抜かれて、理想とされてきた欧州のビッグクラブのような華麗なポゼッションサッカーが不可能になってきた。だから川崎フロンターレや横浜F・マリノスが見る影もなくなっている。藤田社長は今こそリアリズムで勝負するときと思っているのではないでしょうか」

 青森山田高を率いて負けたらそれで終わりの高校サッカー選手権で実績を残してきた黒田剛監督を起用し、ファンの批判も馬耳東風、ルールぎりぎりで勝負に徹する。それは藤田社長のフィロソフィーでもメソッドでもあるのだろう。

 FC町田ゼルビアは、J1リーグに初昇格の今シーズンは首位を快走。だが、夏場になると徐々に順位を下げ、現在は首位争いから脱落しかかっている。ここが正念場と、藤田氏は批判を封印し、優勝争いを続けるためのムチを入れた。FC町田ゼルビアの「誹謗中傷」への刑事告訴は、そのようなピッチ外での勝負でもあると、関係者には見られている。

(清義明/ルポライター)

  ◇  ◇  ◇

 そんな町田を率いる黒田監督はその言動でことあるごとに大炎上してきたが、いったいどんな人物なのか。徹底的にその正体に迫った連載は、●関連記事から読むことができる。

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