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「味噌」には抗酸化・抗腫瘍効果がある “畑の肉”は朝に取りたい【時間栄養学的「気になる食品」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月24日 9時26分

「味噌」には抗酸化・抗腫瘍効果がある “畑の肉”は朝に取りたい【時間栄養学的「気になる食品」】

味噌にはさまざまな健康効果が

【時間栄養学的「気になる食品」】味噌

 味噌は、日本の伝統的な調味料です。大豆を主原料に、塩と麹菌を用いる発酵過程で特有の風味と栄養価が高まります。発酵期間が長いほど味が深まり、栄養成分も豊富になることが特徴で、さまざまな健康効果が期待されています。奈良時代にはすでに広く使われ、保存食として戦国時代には武士の携行食や栄養源として重宝されてきたそうです。

 そんな味噌は「畑の肉」とも称されるほど植物性タンパク質が豊富! 発酵によりアミノ酸に分解されているため、体内での吸収が良好なのがとても良いところです。特に必須アミノ酸がバランスよく含まれ、代謝を助けるグルタミン酸も多いので、料理のうまみを引き出す役割も果たしています。さらに、エネルギー代謝を助けるビタミンB群が多く含まれており、疲労回復や代謝促進にも役立つほか、発酵によって生成される乳酸菌や水溶性食物繊維が腸内環境を整え、消化機能を改善する効果が期待されています。

 また、味噌は塩分を含む食品でありながら、発酵過程で生成されるペプチドに血圧を下げる効果があるとされています。実際に日本で行われた疫学研究では、味噌汁の摂取頻度が高い人々で心血管疾患の発生率が低いことが報告されています。その他にも味噌には大豆イソフラボンが含まれており、強い抗酸化作用や抗がん作用も確認されています。日本人女性を対象にした研究でも、味噌汁摂取が乳がんのリスク低減と関連することが示されています。腸内環境の改善についても多くの研究が行われ、味噌に含まれる乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制することで腸内フローラのバランスを保ち、便秘予防や免疫力向上に寄与すると考えられています。

 時間栄養学の観点から考えると、朝は体温が低く、消化器系もまだ活動が始まったばかりのため、朝食の温かい味噌汁は胃腸に負担をかけずに消化を助ける役割を果たすと考えられます。また、味噌に含まれるビタミンB群はエネルギー代謝を助け、タンパク質は体内時計のリセットに関わる可能性があります。朝の水溶性食物繊維も腸内環境を整えるのに最適といわれているので、朝食で味噌汁を取ることは、とても理にかなっている食べ方なのかもしれませんね。

(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)

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