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《井口資仁の巻》ルーキーイヤーで雁の巣球場の最多観客動員記録を作ったスター性【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月25日 9時26分

《井口資仁の巻》ルーキーイヤーで雁の巣球場の最多観客動員記録を作ったスター性【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

井口資仁(C)日刊ゲンダイ

【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】#23

 井口資仁

  ◇  ◇  ◇

 青学大4年時の1996年はアトランタ五輪の日本代表に選ばれ、3年時の年間12本塁打、大学通算24本塁打はいまだ東都大学記録として名を残す井口資仁(49=前ロッテ監督)。

 96年のドラフト直後に話す機会がありましたが、井口が最初に言ったのは「僕、バッティングに自信がないんです」という言葉でした。

「え? 大学で新記録作ったやん」と驚く僕に、井口は「たまたまです。でも、守備には自信があるんで、僕のことは『守備の人』って見てください」と言う。謙遜でも何でもなく、本当にそう思っていたんです。

 確かに当初の井口は打撃にムラがあり、そこまで打席に凄さは感じなかった。それでもバットに当たったら右方向への打球が異様に飛ぶ、というのが僕の印象でした。

 驚いたのはそのスター性です。当時使用していた雁の巣球場の二軍戦における、最多観客動員記録を作ったこともある。1年目はオープン戦で右足首を故障し、二軍スタート。プロデビューの二軍戦では逆指名ドラ1の井口を見ようと、ファンが殺到しました。ネット裏から順番に詰めていき、普段は使わないバックスクリーンの横までお客さんが入ったほどです。しかも、その年は5月に一軍に上がるなり、1試合目で満塁ホームランをかっ飛ばしたのだから、まさに生まれ持ったスター性でしょう。

 球団も相当な期待をかけており、それが顕著だったのがドラフト直後の秋季キャンプです。守備練習を見ると、それまで遊撃を守っていた選手がみんな、二塁をやらされていた。しかも全員ふてくされている。

「なんで?」

 とスタッフに聞くと、博多弁で「ドラフトで井口とったけん」。いくらドラ1といえど、ひとりのアマチュア選手をそこまでの厚遇で受け入れるのは異例も異例でした。

 性格は人当たりが良く、紳士的。オールスターに出場した時は東京の叙々苑で焼き肉をおごってもらったこともある。

 そういえば酒の席で、「田尻さんってコーチとか興味ないんですか?」と言われたことがあります。僕は現役を2年で引退。そんなヤツが指導しても選手は言うことを聞かないだろうと思っていましたが、井口は「そうですか? コーチはコーチですし、僕は経歴なんて気にしませんけど……。とにかく、考えてみてもいいんじゃないですか」となぜか推してくる(笑)。

 僕は南海に入団する時にコーチの経歴などは全部調べましたが、今の選手はそう考えるのか、と妙に感心しました。

 そんな井口が若手時代から注目していたのが、ホークスの元気印、川崎宗則です。

(田尻一郎/元ソフトバンクホークス広報)

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