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山川穂高の母校・富士大から大量6人がドラフト指名!岩手の地方大学が大躍進のワケ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月26日 9時26分

山川穂高の母校・富士大から大量6人がドラフト指名!岩手の地方大学が大躍進のワケ

オリックスから1位指名された麦谷(右から3人目)ら6人がプロの門をたたく(C)共同通信社

 東北の地方大学が大躍進を果たした。

 24日のドラフト会議で富士大学野球部から支配下4名、育成2名が指名され、計6名がプロ入りの資格を得た。中でも、麦谷祐介(外野手)はオリックスから1位指名。佐藤柳之介(投手)が広島2位、安徳駿(投手)はソフトバンク3位と半数が上位指名だった。

 過去、支配下に限った同一年の最多指名は1977年の法大、2000年のプリンスホテルなどの5人。いずれもいわゆる〝老舗大手〟で、それと比較すれば、富士大は知名度からしてもまだ〝新興企業〟だ。

 富士大は岩手県花巻市にある私大で、09年に全日本大学野球選手権で準優勝、23年の明治神宮大会でベスト4。今秋は39度目のリーグ優勝を果たした。多和田真三郎(元西武)、中村恭平(元広島)、山川穂高(ソフトバンク)、外崎修汰(西武)、佐藤龍世(西武)、小野泰己(オリックス)など多くのプロを輩出している。

「指揮を執るのは就任4年目を迎える安田慎太郎監督(39)。国内外の独立リーグを渡り歩いた異色の指揮官で、沖縄から北海道まで全国を飛び回って選手を集めている。スカウト活動にYouTubeの映像なども活用し、データを使った長所を伸ばす指導法に定評がありますが、今の富士大の礎をつくったのは豊田圭史前監督(40)です」(在京球団スカウト)

 豊田前監督は、09年から母校である富士大のコーチを務め、13年に監督に就任。全体練習の短縮で文武両道と自主性を養う「豊田流」で、富士大を強豪大に押し上げた。20年限りで退任し、現在は母校の神奈川・武相高を指揮。就任4年目にして、今春の神奈川大会で実に42年ぶりの優勝を成し遂げた辣腕だ。

 富士大監督時代、豊田氏は本紙のインタビューで指導方針についてこう語っていた。

「ミーティングを大事にしています。よく言うのは『野球の結果がすべてと思っているかもしれないけど、そうじゃない。10年後、20年後が勝負。だからこそ単位を取ること、授業にしっかり出ること、野球部の練習もそう。与えられた目の前のことをやらないといけない。ただ、勝負は今がすべてじゃない、人生は今がすべてじゃなくて通過点』という話です。200人(当時の部員数)の中で30歳まで野球で食べていける選手が1人いるかいないか。例えば、30歳すぎに社会人野球を引退したら、そこから30年近く会社に勤めることになる。雑用、挨拶、身だしなみ。そのときにイチからやるのではなく、大学の4年間を準備期間にする。寝癖のままグラウンドに来る選手もいるけど、『寝癖のまま会社に行ったらそこをまず評価されちゃうんだよ』と」

 自らを「野球オタク」と呼ぶ豊田監督は、これはと思う高校野球などの先輩指導者の講演などに積極的に足を運び、時にはアポを取ってグラウンドに押しかけ、膝詰めで5時間も質問攻めにしたことも。スカウティングの要諦を「僕は“伸びしろ”という部分は意識して見ていますね。目立たないけど肩が強い、足が速い、遠くに飛ばす力がある、そういう伸びそうだなと思った子に注目しています」と言っていた。

 そんな豊田監督の下でコーチとして指導してきた安田監督がイズムを継承。チームの勝利至上主義ではなく、選手個人の夢や目標を尊重した指導方針を貫いている。

「個が育つ野球部」として、今後も全国に名を轟かせることになりそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 ●関連記事には、今回のドラフトの球団別「内幕」をピックアップ。プロ野球ファンは必読だ。

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