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松山英樹に向けられる大ギャラリーのスマホが炙り出す「国内ツアーの時代遅れ」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月26日 9時26分

松山英樹に向けられる大ギャラリーのスマホが炙り出す「国内ツアーの時代遅れ」

スマホで撮影するギャラリー(C)日刊ゲンダイ

【ZOZOチャンピオンシップ】第2日

 この日もほとんどの来場者のお目当ては松山英樹(32)だった。

 1番ホールから大応援団がついて回り、「ナイスショット!」「ヒデキ、頑張れー!」と声援を送っていたが、今季米ツアー2勝のパリ五輪銅メダリストは、ショットが安定せずに3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71。「後半、少し良くなる兆しがあったけど、かなわなかった。残念な気持ちになった」とコメントした通り、通算2オーバー65位タイと順位を落とした。

 今大会は米PGAツアーのため、ギャラリーには録画音さえしなければすべてのエリアで動画撮影が認められている。松山がショットやパットをする際、一斉にスマホを高く掲げて撮影するのが常だ。1番、4番、6番、8番、9番、11番、14番、18番の一部エリアに限って、無音アプリなどを使い、選手のプレーに支障がなければ写真撮影も可能なだけに、「横浜からやってきました」というファンは「滅多に生観戦できない松山のプレーをたくさん動画で撮りました。今日のことを思い出しながら自宅で何度も見ることができるし、友人に生観戦を自慢できます」とご満悦だった。

 人気低迷が長く続く国内ツアーの動画撮影の現状はどうなっているか。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の大西裕介広報部長に聞いた。

「すべてのエリアで動画撮影を認めている大会と撮影ホールが限定されている大会があります。大会主催者やテレビ局の方針の違いによるものです。我々JGTOと選手会は、動画撮影に関しては全面解禁を推奨しています。今後、主催者やテレビ局との調整がつけば、全面解禁されると思います」

 ZOZOを現地で取材した宮崎紘一氏(ゴルフジャーナリスト)はこう言った。

「昔は試合撮影は報道カメラマンに限られていましたが、これも時代の流れでしょう。プレーの邪魔にならなければ、国内ツアーもスマートフォンの動画撮影は全面解禁にするべきです。特に国内の男子ツアーは人気がなく、試合会場で撮影した動画をファンがSNSで拡散してくれた方がツアーや選手のPR効果につながる。大会主催者やテレビ局は、なんでストップをかけているのか。自分で自分の首を絞めているようなものです。プロスポーツはファンファーストで考えるべきです」

 まったくその通りだ。

 ちなみに、インターネットの有料配信を行っている国内女子ツアーは、冠大会での動画撮影は一切禁止されている。

  ◇  ◇  ◇

 記事本文中でも軽く触れているが、国内男子ツアーの人気低迷ぶりは悲惨の一言に尽きる。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、コースは低レベル。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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