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高利回りETFが米国の個人投資家の間でちょっとしたブームに

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月26日 9時26分

高利回りETFが米国の個人投資家の間でちょっとしたブームに

仕組みを理解して投資を(C)ロイター

【マネーの教科書】

 米国の個人投資家の間で高利回りETF(上場投資信託)がちょっとしたブームになっているようだ。

 ブルームバーグによると、金融インフルエンサーが「100%を超える配当も可能」とはやしたて、個人投資家の人気を得ているという。話題になっているのは、オプション取引を利用して利益を拡大したり、損失を抑えたりする商品。エンハンスト型と呼ばれるETFもそのひとつだが、東証にも5本のETFが上場されている。

 エンハンスト型とは、指数に連動させる運用を行う一方でアクティブ運用も取り入れ、指数を上回るリターンを得ることを目的にしている。ボラティリティーを抑えて、安定利回りを狙う商品も多い。たとえば、「グローバルX S&P500・カバード・コール」は、カバード・コール戦略を利用してS&P500に連動させつつ、ボラティリティーを抑えて、安定リターンを目指している。カバード・コール戦略とは、「指数が一定以上に上昇したときの利益を受け取る権利」を売って、その資金を投資家に分配する手法。指数が大きく上昇しても利益が限定される代わりに権利を売ることで安定収入が確保できる。

■「JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF」は日本の個人投資家にも人気

 カバード・コール戦略を利用し、高い利回りを実現しているのが米国ETFの「JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF」(JEPQ)だ。米国大型成長株の指数であるナスダック100のボラティリティーを抑えながら、インカムゲインと一定の値上がり益を得ることを目指している。2020年5月の設定以来、安定分配を継続しており、国内のネット証券でも購入できることから、日本の個人投資家にも人気がある。

 JEPQは毎月分配型で10月分の分配金をもとに年換算利回りを計算すると12%になる。毎月分配型のため、新NISAの対象ではないが、信託報酬が0.35%と低いのも魅力だ。同じシリーズには、S&P500を指標とした「JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF」(JEPI)もある。分配金利回りは年7.9%、信託報酬は0.35%だ。

 高い利回りが得られる金融商品は老後資金づくりの手段としても魅力的だが、複雑な手法を利用しているだけに、仕組みを十分理解した上で投資したい。

(ジャーナリスト・向山勇)

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