本格的に寒くなる前に知っておきたい…冬の「血圧上昇」と「糖尿病」のこと
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月26日 9時26分
糖尿病の大半を占める2型糖尿病は肥満の人が多い。先述したように、これもまた糖尿病が高血圧のリスク要因になっている理由でもある。
高血圧が怖いのは、血管壁に圧力がかかり続けることで血管壁が厚く硬くなり、柔軟性を失うことだ。血管は伸び縮みすることで血液を送る働きがあるが、動脈硬化が進み柔軟性がなくなると、血液を送り出す心臓の負担が大きくなる。また、血管がもろくなり、急激に血管に圧力がかかることで血管が破れて脳出血したり、眼底が出血して視力障害を起こす。血流が滞った場所で血液が固まり脳梗塞や心筋梗塞などを起こすことがある。
■ヒートショックとモーニングサージ
「急激な温度変化で血圧が大きな変動を起こし、体に負担をかけることをヒートショックといいます。11~4月に発生しやすい浴槽事故の原因のひとつになっていますが、糖尿病の高齢者はいまから準備することが必要です」
実際、厚労省の人口動態統計(令和5年)の65歳以上の浴槽内および浴槽への転落による不慮の溺死・溺水の死亡者数は6307人で、交通事故死2154人の約3倍に達する。そのなかには相当数の糖尿病並びに糖尿病予備群がいたと考えられる。
また、冬はモーニングサージにも注意が必要だ。
「早朝、起床時に生じる一過性の血圧上昇をいい、冬場の早朝や午前中に脳出血や脳梗塞、心筋梗塞や狭心症などの血管系の疾患が多発する一因だといわれています」
では、いまからどんなことに注意しておくべきなのか?
「定期的に血圧を測るのはもちろんですが、これからはラーメンの汁は飲み干さず、塩分の多い飲食物は避け、体を動かして体重コントロールに気をつけることです。お風呂はお湯張り時に浴室を温め、長湯にならないように気をつけること。また、高齢者は万一浴槽で倒れても家人が気づきやすいよう、必ず入浴時に家族に声かけしましょう。寒くてもちょっとの間だからと、薄着でゴミ出しや新聞を取りに行ったりせず、必ず暖かい服装で外出しましょう。朝目が覚めたら、すぐに起き上がらず、布団の中で体を動かしてからにするといいでしょう」
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