『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者は印税5000万円をFXで溶かし…その後YouTubeで大儲け!(あの人は今)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月28日 9時26分
じゅうぶん見返した、というわけだ。
「最初はYouTubeを甘く見ていて苦戦し、登録者が1000人になるまで半年かかりました。それで、人気動画を見て勉強し、新型コロナで持続化給付金の申請方法などが求められたときに伸びました。多くの方が大変なときに、お手伝いができて良かったです」
作家活動も続けているのだろうか。
「いえ、出版からは足を洗いました(笑)。最後に単著で出したのは、もう7年前。依頼は今も年100件ほどきますが、本は売れないと編集者や営業担当者に迷惑をかけるのがストレスだし、YouTubeの方が早く、深く、より多くの人に情報を届けられますから。ただ、もう1回、100万部ヒットの本を作りたい気持ちは、今もあります」
実は、これまでの著書もYouTubeも、6歳年上の元大手シンクタンク勤務の夫人の助力が大きいという。
「妻は文章やデザインが得意なので、ボクが書いた文章を校正したり、YouTubeのサムネイルを作ったりしてくれているので、一緒に作ってきたという感覚があります。友人の紹介で知り合い『さおだけ屋──』を出す前年に結婚しました。『さおだけ屋──』が売れると『私のおかげでもあるのよ』と(笑)。それで、出版社の社長に赤坂の料亭などに招待いただいたときは、妻同伴にさせていただきました」
港区内に、夫人と中学3年生の長女と3人暮らしだ。
さて、神戸市出身の山田さんは、大阪大学文学部卒業後、公認会計士2次試験に23歳で合格。大手監査法人に勤務する一方、会計士の資格を生かした小説「女子大生会計士の事件簿」(英治出版)で作家デビューした。
05年、ビジネス書「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を出版。ベストセラーとなり、一躍、時の人となった。
「小説も『さおだけ屋──』も、会計士の仕事をもっと知ってほしくて書きました。売れると周囲はチヤホヤ、売れなくなると連絡がパタリと来なくなりました。おかげで、売れた人の気持ちや、そこから落ちた人の気持ちがよくわかり、芸能文化税理士法人の顧客であるエンタメ界の人の気持ちがよく理解できます(笑)」
そんな税理士、会計士も珍しい──。
(取材・文=中野裕子)
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