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声優の宮村優子さんは「バセドー病」と「橋本病」の両方を経験…壮絶闘病を語る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月28日 9時26分

声優の宮村優子さんは「バセドー病」と「橋本病」の両方を経験…壮絶闘病を語る

声優の宮村優子さん(本人提供)

【独白 愉快な“病人”たち】

 宮村優子さん(声優/51歳)
  =バセドー病・橋本病

  ◇  ◇  ◇

「バセドー病」と「橋本病」は、どちらも新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンのバランスが崩れる甲状腺疾患です。甲状腺ホルモンが過剰になるのがバセドー病で、減少してしまうのが橋本病。私はその両方を数年の間に経験しました。

 不調の始まりは、2004年に第1子を出産し、子育てに夢中になっていた頃でした。気力もあって体は動くし食欲もあるけれど、常に動悸がして、疲れを感じ、痩せていくのです。そのうち、眼球が目立つようになりました。でも授乳もしているし、仕事もしていたので、そのせいで痩せたのだろうと思っていました。

 病院を受診したきっかけは、友人から「乳がんになった」という話を聞いたことです。「早期発見が大事だな」と思って、人間ドックを受けてみたのです。すると「がんはないが、甲状腺の専門病院へ行った方がいい」と言われて、当時住んでいた大阪の「甲状腺といえばここ」という専門病院を受診しました。血液検査の結果、甲状腺ホルモンの数値が高く、バセドー病と診断されたのが2006年です。

 その後は定期的に通院しながら薬を服用し、正常値に近づくごとに薬の量を減らしていきました。

 困ったのは、眼球が突出して、まぶたが閉じないくらい悪化したときです。子供には「寝てるとき白目で怖い」と言われました。しかも、数値が良くなっても元通りにはならないんです。ただ、ひどくなる一方だった頃に比べて、薬で目が突出する進行が止まってくれたので、そのまま少し落ち着いた感じです。

 2年間ぐらいすると薬を飲まなくてもいい状態になり、通院が終了。いつ再発してもおかしくない病気なので、本来は完全に治療終了とはいかないのですが、2人目の子供が欲しかったので、薬を飲まない選択をしました。

喉の筋肉が衰えて食事をするのも疲れるように

 2008年には家族でオーストラリアに移住し、しばらくは症状も出ず、順調に第2子を出産しました。それが2011年。その後、体調がむちゃくちゃ悪くなりました。とにかく気力も体力もなく、疲れすぎて起き上がれないのです。全身の筋力が衰えている感じ……。朝、最低限の家事をしたら、ベッドに倒れ込むくらいでした。

 バセドー病の時は、気力がみなぎっていて体もよく動く中で疲れていたけれど、この時は、ただただ疲れていました。でも、子育ても上の子と生まれたばかりの子の両方でしたし、39歳になっていたので、そのせいだと思いました。当時は橋本病の症状を知らなかったのです。一番ひどいときは物をのみ込むための喉の筋肉も衰えて、食事をするのも疲れました。

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