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ZOZO終幕も米ツアー国内開催の意義は大きい 選手、ファン、関係者に大きな刺激を与えてきた(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月30日 9時26分

ZOZO終幕も米ツアー国内開催の意義は大きい 選手、ファン、関係者に大きな刺激を与えてきた(羽川豊)

第一回大会はウッズが優勝(C)日刊ゲンダイ

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 2019年から始まった日本開催の米男子プロゴルフ(PGA)ツアー、「ZOZOチャンピオンシップ」が6年契約を終えて幕を閉じました。

 第1回大会はT・ウッズが松山英樹を退け優勝。これで大会の知名度が浸透しました。2021年の第3回大会はマスターズを制した松山が頂点に立ち、国内のファンを沸かせました。

 大会は賞金総額だけで850万ドル(約13億円)と巨額です。6年間も国内でPGAツアーを開催してくれた主催者や、大会運営に尽力された方たちには心から感謝したいです。

 この大会はPGAツアーのコースセッティングになります。フェアウエーを絞り、ラフをある程度伸ばし、グリーンも速い。昔から会場の習志野CCではよくプレーしましたが、ZOZOの舞台では、ティーショットとミドルアイアンの精度が求められます。今年、国内選手でベスト10入りしたのが杉浦悠太(6位)だけだったのは、その差が大きかったように思います。

 多くの国内選手はこの大会に出ることを目標にしています。本場のPGAツアーに出場できるチャンスはそうそうない。賞金が高いことはもちろんですが、ゴルフファンの誰もが知っているトッププロの参戦は限られているとはいえ、国内にいながらPGAの選手と戦うことは刺激になるし、学べるものは多い。欧州ツアーからPGAツアーに昇格した久常涼をはじめ、同ツアーや米下部ツアーに挑戦する選手が増えたのは、国内ツアーの試合数減だけが理由ではないでしょう。この大会が海外に目を向けるきっかけになった選手も多いのではないか。

 会場に足を運んだファンの中には、将来海外で活躍したいという夢を抱く若いゴルファーも多かったと聞きます。PGA選手の迫力あるドライバーショットだけでなく、アプローチやパターの技術に、「あんなに大きな体で、なぜそんなにソフトなタッチが出せるのか」と感心したでしょう。プロスポーツは、やっぱり生観戦するのが一番。ファンにとっても得るものが大きかったはずです。

 また、運営費やスケールは違えど、大会の見せ方やコースセッティングなどは、国内ツアーに携わる関係者の人たちにも参考になったでしょう。

 PGAツアーは来年以降も、毎年日本で試合を開催することを明言していますが、問題は資金と会場です。巨額な大会運営資金を1社で賄うことは容易ではなく、会場は空港から近く、大会規模からして36ホールを有するコースでなければならないといった条件もクリアしなければなりません。難しいとは思いますが、日本ゴルフツアー機構(JGTO)がリーダーシップを取り、PGAツアーの開催継続を望みます。

(羽川豊/プロゴルファー)

  ◇  ◇  ◇
 
 日本の男子ツアーはいま散々な状態にあるが、今大会を通してさらに「時代遅れ」であることが露呈した。いったい何が起きたのか。PGAツアーとの「決定的な差」とは。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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