大谷“強行出場の代償”は軽視できず…左手は常にユニホームの襟に、テーピング&痛み止めを服用
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月30日 11時46分
29日の第3戦で襟元を握り締めながら塁を回る大谷(C)共同通信社
【ドジャースvsヤンキース 43年ぶり対決の舞台裏】#7
手負いの長距離砲が痛々しい。
左肩を亜脱臼したドジャース・大谷翔平(30)が日本時間30日、ヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第4戦に「1番・DH」に2戦連続で強行出場。前日は痛み止めを服用し、テーピングやサポーターで患部を保護して臨んだが、ヤ軍投手陣に対し、3打数無安打、2四死球、1三振。初回の第1打席は一度もバットを振ることなく四球で出塁した。
打撃では力感がなく、スイングした際には顔をしかめるシーンも。本人は痛みを否定したが、走塁では患部への負担、衝撃を避けるため、常に左手をユニホームの襟にかけるなど痛々しさは否めなかった。
この日の試合前、ロバーツ監督はMRI検査の結果、「構造的な損傷は見当たらなかった」と軽傷を強調。4年ぶり8度目の世界一がかかる30日の第4戦での起用も明言した。
試合後に会見した大谷は患部の状態について、「今は痛みも引いてきているので、自分のスイングが戻ってきている」と説明。WS終了後の手術の可能性について聞かれると、「今季が全部終わった後に、また改めて検査をして良い状態なのかどうなのか。今の段階では問題ないんじゃないかと思います」と話した。
今後、チームドクターを務めるニール・エラトロッシュ氏の診察を受けて正式な治療方針を決めるが、メスを入れても入れなくても打撃フォームの乱れは避けられそうにない。
ド軍が世界一になった2020年のポストシーズンで右肩を脱臼した19年のナ・リーグMVP(打率.305、47本塁打、115打点)コディ・ベリンジャー(現カブス)は、シーズン終了後に手術を受けた。オフに入念なリハビリを行い、翌年の開幕には間に合ったとはいえ、恐怖心から患部をかばったことで打撃好調だった19年と比べてバットを構えた時の右肘の位置が極端に下がった。復活を期待されながら、この年は深刻な打撃不振に陥り、打率.165、10本塁打とも自己ワーストに終わった。後にベリンジャーは地元メディアの取材に「右肩をかばってスイングをコンパクトにし過ぎた弊害が出た」と明かしている。23年にFA移籍したカブスで打率.307、26本塁打、97打点をマークしてカムバック賞に選出されたものの、完全復活まで2年を要した。
大谷は来季、カブスとの日本開幕戦での投打の二刀流復帰を見据え、今オフには投手のリハビリが最終段階に入る。
投球フォームを固めると同時に、打撃もメカニクスの調整を強いられそうだ。
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