ソフトB今シリーズ初黒星もまたまた出てきた「育成の星」…22年育成10位左腕が2回を完全投球
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月30日 11時46分
好投した前田純(C)日刊ゲンダイ
敗れてなお、相手にため息をつかせた。
「また出てきたか……」
ソフトバンクの2年目左腕の前田純(24)が2点ビハインドの六回に日本シリーズ初登板。2回を無安打2奪三振に抑え、本拠地のファンから大きな拍手を浴びた。
2022年の育成ドラフト10位で入団。今年7月に支配下契約となった叩き上げは、9月29日の日本ハム戦で6回3安打無失点の好投で初登板初先発初勝利を挙げた。レギュラーシーズンでの登板はこの1試合のみだったものの、小久保監督は日本シリーズのベンチ入りメンバーに抜擢。今季2試合目の一軍マウンドが日本一決定戦の大舞台になったとあっていきなり2球連続でサイン間違いを犯して捕手の甲斐を慌てさせたが、安打は許さなかった。
「山川穂高と同じ沖縄の中部商高出身で、大分の日本文理大を経て入団。189センチ、85キロの大型左腕ですが、この日も直球の最速は144キロ止まりで、スピードより球のキレとチェンジアップやカーブの緩急で打ち取るタイプです」(球団OB)
ソフトバンクは言わずと知れた育成王国で、現メジャーの千賀滉大、正捕手の甲斐拓也、盗塁王の周東佑京らが、支配下どころか、一軍のレギュラーをつかんだ。前田もその系譜に連なるが、「他球団の関係者は『ソフトバンクは今年のドラフトでも12球団最多の13人もの育成選手を指名した。日本で唯一の四軍制を敷いて、120人近い選手を抱えていれば育成から当たる確率も高くなる』と負け惜しみを言いますが、日本一といわれるファーム施設など、その資金力も含めて『うらやましい』が本音でしょう。特にDeNAは育成から支配下になってレギュラーをつかんだ例はごくわずかですから」(前出のOB)。
この日はDeNAに不覚を取ったが、戦力差はいかんともしがたい。
◇ ◇ ◇
日本一へひた走るソフトバンクだが、水面下で正捕手・甲斐拓也の去就に注目が集まっている。待遇を求めるなら残留、出場機会重視なら移籍だが、はたしてーー。
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